『列島強靭化論 日本復活五ヵ年計画』
藤井聡 著 文春新書 刊
を読みました
東日本大震災直後に執筆緊急出版された列島強靭化論です
元日早々の能登半島地震そして今月17日の阪神淡路大震災の日を受けて
災害対策と長期的視野に立った復興計画について学び直す意味で読みました

本全体は日本列島と云う震災大国の特殊性に鑑みた震災対策や備えの他
大きな意味での経済政策論や財政政策論そして公共事業論など幅広く論じて居る本です

災害対策に特化して挙げると
東日本大震災は古来何度か起こって来た大規模地震であり
古の言い伝えを守ったが為に大津波の被災から免れた宮古島姉吉地区の例等を挙げて
歴史や経験を活かす事の重要性を再認識させられた他
東海・南海・東南海地震は遠からず必ず起きると想定されて居り
過去に例があった様にこれが同時に起きれば東日本大震災を遥かに上回る被害が襲う事
更に関東大震災から百年を過ぎて江戸時代以来四~六十年周期で起こって来た首都直下型地震が起きた場合
我が国の中枢が麻痺して政治も機能せず復興も救済も困難になる事
これも過去何度も繰り返された富士山の大噴火が起これば首都圏への甚大な災禍と成り得るし
首都圏が江戸時代以前は大洪水地帯であった事や利根川や荒川と云った河川の大洪水の可能性も大いにある事等
様々な来たるべき大規模災害を想定した対策について
今更ながら忘れがちだった事を再確認させられる連続でした

それらの対策の為にも列島強靭化とリスクの分散化で備えると云う
忘れた時にやって来る災害対策を怠り勝ちな気持ちに喝を入れられた気分になりました