『苦いオードブル』
レックス・スタウト 著 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 刊
を読みました
名探偵テカムス・フォックスの活躍する最初の作品です

探偵事務所で働くエイミー・ダンカンは
オードブル製作販売会社の瓶詰めオードブルへのキニーネ混入事件を潜入捜査して居たが
実はその会社の社長の姪でもあった
エイミーはその会社の買収を進めて居るP&B社の副社長レナード・クリフと恋仲となり悩んで居た
そんな最中に同業他社で高名な探偵テカムス・フォックスと知り合う
エイミーは叔父に呼び出され叔父のオフィスへ向かうと
叔父がオフィスで殺されて居る所へ出会し直後に頭を殴られてその場で気絶する
漸くフラフラで自宅へ辿り着いたエイミーはテカムス・フォックスに助けを求める
事件に興味を持ったフォックスは捜査を開始するが…

著者レックス・スタウトと云えば名探偵ネロ・ウルフシリーズで知られるミステリ作家
ネロ・ウルフシリーズは自宅兼事務所から一歩も動かないアームチェアディテクティヴで
助手のアーチー・グッドウィンが調査をし
作品の語りもアーチーの一人称で語られ独特の軽妙さの作品ですが
テカムス・フォックス物は一人称語りでは無いので私的には読み易いです(^_^;)
ネロ・ウルフ&アーチー・グッドウィンの様な個性はありませんが
エラリー・クイーンの様なアメリカンな感じの名探偵です

なかなか我が国では馴染みの薄いシリーズですので翻訳も少ない様です
この本の翻訳は矢沢聖子と女性なので良い意味でレックス・スタウトの軽妙なノリを違和感無く訳して居ると感じました