陶壁画「広島生変図」  | ヒロシマ平和公園の四季

ヒロシマ平和公園の四季

「ヒロシマのこころ」とは、報復の連鎖を断ち切ること。
広島平和公園の碑めぐりのガイドをしている"たっちゃん"が、
平和公園の四季を通じて「ヒロシマのこころ」を届けます。

$ヒロシマ平和公園の四季-平山郁夫画

平山郁夫画伯は1945(昭和20)年8月6日、学徒動員中の陸軍兵器支廠の材木置場で被爆し故郷の瀬戸田町へ避難途中黄金山で数時間にわたり広島全市が炎に包まれているのをぼうぜんと見つめていた。34年後原爆死没者慰霊碑の前に立った時、平和の灯があの日目にした炎と重なって見えたという。

この生変図は被爆体験を自分の原点と考える画伯の唯一の原爆の絵である。けっして滅びることのない平和、生まれ変わって生き続ける「不死鳥ヒロシマ」のイメージを表現している。原爆資料館地下にあるこの陶壁画は、広島県立美術館に所蔵されている原画をもとに、世界恒久平和を念じる多くの人々の善意と協力により製作設置されました。

彼は「広島で被爆した私(平山)は、平和の祈りは描き続けたが、直接的に原爆図は描かなかった。1978(昭和53)年8月6日お参りした私は、記念堂の灯に、被爆の業火が甦った。広島は不死鳥のように生きよと、火焔の中で不動明王が呼び、今も生きていると、広島の被爆を描いた」という。

作品からは原爆の悲惨さや戦争の愚かさよりも、広島は決して滅んだわけではない、生まれ変わって生き続けているんだ、ということを表現しているようです。