「宇宙戦艦ヤマト祭り」&「惑星」~宇宙に想いを馳せるコンサート | たっちゃんの鉄楽切り抜き帳

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 昨日は七夕だった。この週末はそれに合わせたような、宇宙をテーマにしたコンサートを二公演聴いてきた。
 まずは7月6日のサントリーホール。今年で50周年を迎えた「宇宙戦艦ヤマト」の音楽を楽しむ公演で、その名も「ヤマト祭り」。今回のプログラムは、悪役敵役のテーマ音楽を楽しもうというものだった。
 オープニングでいきなりサントリーホール自慢のパイプオルガンが響き渡る。初体験の人は思わずひれ伏してしまいそうになるだろう荘厳な音色で、白色彗星のテーマが演奏された。それに続くのは作曲者である宮川泰自身が選曲した組曲が続くが、ここまでが長大な序曲とのこと。
 編曲と指揮は、オヤジさんからヤマト音楽のDNAをしっかり継承した息子の宮川彬良が担当しているから安定感は抜群で、安心して身を委ねられるヤマト音楽ワールドが展開する。
 演奏はシエナ・ウィンド・オーケストラ、女性ボーカル(スキャット)、男性コーラス、そしてピアニストも加わった豪華版。ただし、演奏内容は個々の奏者のヤマト音楽に対する思い入れの濃淡が出て興味深かった。演奏技術だけでは成り立たないのが、劇伴音楽の難しいところなのだ。
 満場の聴衆の熱気はなかなかのもの。さしずめ、ヤマト教信者の集会といったところで、50周年というファン層の厚みを実感した。

 翌日、七夕の夕方は錦糸町のすみだトリフォニーホールへ。人気は高いけど、なかなか実演に接する機会がないホルスト作曲の組曲「惑星」が演奏される公演で、こちらも満席。今回は探査衛星「ボイジャー」をテーマにした楽章が追加(世界初演)されるとのこと。
 JAXAや国立天文台のセンセイ方によるトーク・セッションもあったのだが、これがなかなか面白かった。ただ、人間の一生に比べて、あまりにも時間軸が長大過ぎてイマイチ現実味がない。
 「惑星」のナマ演奏を聴くのは久しぶりだが、指揮者が大編成オケをコントロールしきれていない印象。まだ若そうなので仕方がないか。オケもやや力みが見られ、時に音色が混濁気味になる。それでも惑星のナマ演奏は楽しい。
 最後に追加されたボイジャー楽章は、現代音楽調で出来のよろしくない武満作品みたいな印象。通常通り、女声コーラスのフェイドアウトで終わった方が良かった。
 何はともあれ、我々が住む地球や宇宙のことについて想いを馳せるのも悪くないと感じた二日間だった。