アニメ「ルパン三世」シリーズで二代目・峰不二子を演じた声優、増山江威子さんが亡くなられた。ネットには追悼の声が溢れているが、それだけ存在感のあり、愛された声優さんだった。
ルパン三世はＴＶ版の第一シーズンからリアルタイムで観ていた世代だから、今でもこの第一シーズンが最もお気に入りだ。だから第二シーズンになって作風がガラリと変化し、さらに石川五ェ門や峰不二子の声が変わり、音楽まで一新されたのは正直不満があった。
それを一気に払拭したのが劇場版第二作となる「カリオストロの城（以下、カリ城）」。今やアニメ映画の金字塔として知らない者はいないであろう名作だが、東宝の前宣伝がダメダメだったこともあって公開時にはそれほど話題にならなかった。しかし、口コミでの高評価がジワジワと広まり、上映館は大入りに。同時に宮崎駿監督の名も知れわたった。
カリ城での不二子の存在は大きく、しかもヒロインとは全く違うタイプの女性キャラだったが、それを見事に具現化した増山江威子の声優としての仕事ぶりに舌を巻いた。その後、自分の頭のなかでも不二子＝増山の違和感がなくなっていった。
カリ城の公開は１９７９年だったから、今年で早や４５年になる。増山の他界で当時のルパン・ファミリー全員があちらの世界に移住してしまった。銭形警部や敵役の伯爵や腹心も既に故人だ。
今年は有名人の訃報が相次ぎ、自分が過ごした昭和という時代がもの凄いスピードで彼方に去っていくのを感じる。これが歳をとるということなのだろう。
このような傑作を残してくれた今は亡き声優の皆さん、そして増山さんに謹んで哀悼の意を表します。
追記：本日の画像は、カリ城の映像ソフトがすぐに見つからなかったので、代わりにサントラＣＤを使った。また、第一シーズンに一話だけ増山さんがゲスト声優で出演しており、初代・峰不二子の二階堂有希子さんと共演している。未見の方は観て（聴いて）みてはいかがだろうか。