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新シーズンが始まったBSフジの「鉄道伝説」。本日、4本目となる新作が放送されたが、内容は南海電鉄の高野線用電車であるズームカーの開発物語だった。そこで、当ブログでも便乗ネタを。
南海高野線は実にユニークな路線で、昔から何度も訪れている。高野線の電車が発着する難波駅は、実は南海線の駅で高野線の電車は乗り入れの形をとっている。大都市を出発した電車は次第に郊外へ進み、紀見峠で県境を越えて和歌山県に入り、JR和歌山線と合流する橋本駅に到着。電車はいよいよ高野山に挑むのだが、高野下駅を過ぎると終点の極楽橋駅までは50パーミルの急勾配とR100の急曲線が連続する本格的な山岳路線となる。よくぞこんな所にレールを敷いたものだと感心させられる難所を、普通の電車が当たり前のように走る姿に驚かされる。
平坦区間では高速性能、山岳区間では登坂性能という相反するスペックが求められるわけだが、電車は自動車のように簡単にギアチェンジをすることは出来ない。これを両立させるために開発されたのがズームカー。命名は、カメラのズームレンズにあやかっている。
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(↑乗務員室扉が低い ↓乗務員室扉が高い)
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最初のズームカー21000系の登場は1958年と結構古い。南海流に消化した湘南顔とオリエンタル・グリーンの組み合わせは、今でも好きな電車だ。丸い種別表示板がよく似合っていた。
急曲線等の制約から車体長は17メートル級の4両編成。計8編成が製造されているが、ロットによって細部に差異がある。
初期の編成は乗務員室扉の高さが低く(上辺が側窓と揃っている)出入りの際に頭が当たりそうだ。台車もアンカーがないタイプを履いている編成があり、このあたりは(特定番号を目指すなら)模型化のポイントだろう。
車内は転換クロスシートが主体だったが、後期の増備車はオール・ロングシートになった。初期車もロングシート化されたが、第一、第二編成のみはクロスシートで残され、臨時特急などに運用されている。荷棚下の照明(読書灯?)は、南海電車の伝統だ。
1500Vへの昇圧対応工事と同時に冷房化改造が行われている。
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ズームカーの仲間は、特急こうや用に車体をロマンスカー仕様にした20000系デラックスズームカー、そして増結用に前面を貫通タイプにした22000系通勤ズームカー(角ズームカー)が登場している。