ダム湖に沈むトンネル | たっちゃんの鉄楽切り抜き帳

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「鉄道」を趣味の対象として、さまざまに楽しむ活動を記録するブログです。

 某バラエティ番組の企画コーナーに「秘境駅で生活利用者の有無を調査する」というのがある。秘境駅と呼ばれる駅で、観光客や乗り鉄ではない、地元民の利用者が存在するかどうかを実地調査するという内容で、予測が難しい展開と結末がなかなか面白いので毎回視ている。

 直近の調査駅は、大井川鉄道井川線の「ひらんだ(漢字表記は平田)駅」だった。観光スポットとして人気の「奥大井湖上駅」の一つ手前の駅だ。

 山中にある駅の前には、長島ダムの建設で出来たダム湖である接岨湖が広がる。言い方を変えれば、山とダムしかない駅だ。

 鉄道好きならご存じと思うが、井川線は極めて列車本数が少なく、調査に赴いたお笑い芸人も、当然ながら時間を持て余す。しかし、そこに思いもよらない出来事が…。

 たまたま現場で出会った観光ガイドが、カヤック体験に誘ってくれたのだ。接岨湖はカヌー競技の会場にもなる場所で、観光客向けのカヤック体験も出来るそうだ。

 そして、カヤックを漕ぐうちに着いたところは、井川線の旧線跡。この日は水位が低かったので、普段は湖底に沈んでいる遺構が姿を現したのだった。

 目の前にぽっかりと口を開けた旧線のトンネル。アーチ形の断面の3分の1ぐらいの所に水面があり、何と!カヤックでそのトンネルを抜けられるのだ。何とも幻想的な光景だった。

 番組を視ながら、そう言えば井川線はずいぶんご無沙汰であることを思い出した。アプト区間が出来た頃に二度行ったのが最後で、今日の写真はその時に撮ったもの。だから、奥大井湖上駅もレインボウブリッジも、まだ水がない光景だった。

 大井川本線の方は乗りに行っているのだが、何せ井川線は時間がかかるので足を伸ばしていない。久しぶりに行きたくなった。