近鉄の初代ビスタカー10000系 | たっちゃんの鉄楽切り抜き帳

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 近鉄が、電車としては世界初となる二階建て構造の特急用車輌を世に出したのは昭和33年のこと。設計にあたって参考にしたとされる、アメリカの大陸横断列車のイメージが強く投影されたデザインだった。

 試作的な要素が強く、一編成のみの製造ということもあって、僅か13年の活躍で廃車になってしまったため、乗るどころか実車を見ることすら出来なかったのが残念だ。ということで、模型でその雄姿を楽しんでいる。

 模型はカツミ製品。カツミでは実車が健在な頃に製品化の計画があったようだが市場に出ることはなかった。試作品と思われる写真が雑誌に載ったことがある。

 時は流れて、遂にデビュー当時の姿を模型化。さらに事故復旧で片側の前面が変わった姿を製品化(2012年)したものが、当鉄道に在籍している。




 強烈な印象の前頭部と、屋根上に飛び出した形の展望ドームは、この系列だけの特徴で、後継となった10100系と並ぶと違いが際立つ。

 10000系は、わずか13年の生涯だったが、目まぐるしく変化している。模型的な視点だけでも、塗装の塗り分け変更、宇治山田寄り先頭車が事故復旧で前頭部変更と客ドア変更(4枚折り戸→2枚折り戸)、中間3輌にクーラー増設、トイレのタンク化に伴う中間運転台廃止などがある。

 さらに、かつてTMS誌に掲載された写真では、パンタ付M車のうち1輌だけが床下にある抵抗器が交換されていた。