ピエタリ・インキネン指揮 プラハ交響楽団 横浜公演 | たっちゃんの活動写真&西洋古典音楽切り抜き帳

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「映画館で」「自分のカネを払って」観る映画と「コンサートホールで聴いた」クラシック音楽会の、独断と偏見によるコメントを公開。

 熱を出して数日休んでいたことなどから、すっかり更新をサボっているうちに、1月も半ばになってしまった。今さら感はあるのだが、自身の記録としてUPさせていただく。

新年早々からコンサート通いが続いたのだが、ウィーン音楽はひと休みして、プラハ交響楽団に足を運んだ。

1月6日の横浜みなとみらいホール。プログラムは、ブラームスの“ヴァイオリン協奏曲”と、ドヴォルザークの“交響曲第9番「新世界より」”だ。

来日常連組のプラハ交響楽団だが、指揮者は都度変わっており、今回はピエタリ・インキネンに率いられての来日公演だ。

ブラームスのソリストには、樫本大進が登場。この人目当てか、チケットは完売御礼。このホールが満席になるのを見るのは久しぶりだった。

ベルリン・フィルのコンサートマスターとして活躍する樫本。大いに期待する反面、ちょっと懸念したのが、オケとの相性だ。以前にも書いたが、プラハ響はチェコ・フィルが失いつつある素朴さが残っており、いささか緩みのある伸びやかな音色が持ち味だ。極めてシャープな演奏をする樫本との共演は如何に?

しかし、さすがは樫本。弾き始めると同時に、聴く者を自分の世界に引き込む。抜群のテクニックに裏付けられた、緩急自在な表現力には感心するばかり。自らコンマスをしているだけに、多少毛色の異なるオケとも巧みに合わせてしまう柔軟性もさすがで、スケールの大きな音楽を紡ぎ出した。

後半のドヴォルザークは、やはりチェコのオケならではの音色が好ましい。弦、木管、金管とそれぞれ特有の“ローカル色”があり、決してスマートではないが、味のある演奏となる。ただし、木管はもう少しの歌心が欲しい気がした。

アンコールは、ドヴォルザークの“スラブ舞曲第10番”と“同・第8番”。