ザ・シンフォニーホール35周年 | たっちゃんの活動写真&西洋古典音楽切り抜き帳

たっちゃんの活動写真&西洋古典音楽切り抜き帳

「映画館で」「自分のカネを払って」観る映画と「コンサートホールで聴いた」クラシック音楽会の、独断と偏見によるコメントを公開。


 早いもので、2017年も今日で終わり。そこで、今年の振り返りネタを一つ書かせていただく。

 2017年は、大阪の「ザ・シンフォニーホール」が35周年を迎えた年だった。このホールの開館は1982年10月14日、日本で初めて、クラシック音楽の演奏に適するとされる「残響2秒」というスペックで建設された。このホールの音響に刺激されて、故佐治敬三氏が「東京にもこんなホールを作ろう」と建設したのが、サントリーホールだというから、ザ・シンフォニーホールが日本の音楽文化に与えた影響は計り知れないものがある。


 初めて、ザ・シンフォニーホールを訪れたのは、確か1987年だったと思う。このホールの建設記録を綴った書籍「残響2秒」を読んで、ぜひ行ってみたいと思ったのだ。ちょうど、いつも東京のサントリーホールで聴いている在京オーケストラの大阪公演があり、馴染みのオケならホールの音響の違いがよく分かるだろうと思い、出かけることにした。

 初体験のザ・シンフォニーホールの音は衝撃的だった。そして、ここの音響に惚れ込み、以後、毎年2~3回の大阪通いが続いている。

 東京のサントリーホールが開館したのは、1986年10月。当時、画期的な音響のホールとしてすぐに評判となったが、実際に出かけると聴く都度、印象が変わった。演奏者も聴衆も、まだ不慣れなホールの音響に戸惑いがあり、一種の試行錯誤を繰り返していた頃だった。しかし、4年早く開館したザ・シンフォニーホールは既に安定した音響になっており、聴く者をふんわりと包み込む残響と、しっかりとした音像定位を両立させた音に唸った。

 ザ・シンフォニーホールは、数年前に建設した朝日放送の手を離れ、保有管理事業者が変わっている。ちょっと不安があったのだが、日本最高レベルの音響に変わりはなく、現在も大いに利用されているのは大変喜ばしく、次回の訪問が楽しみだ。


 さて、2017年も超低空飛行を続けた当ブログですが、訪問いただいた皆様に心より御礼申し上げます。

 どうぞ良い新年をお迎えください。