10月4日(水)、新国立劇場にて、『修道女アンジェリカ』(プッチーニ作曲)と『子どもと魔法』(ラヴェル作曲)を観賞した。

 

 

『修道女アンジェリカ』は初めての鑑賞、『子どもと魔法』は昨年9月、東京文化会館小ホールで観賞して以来、二度目の鑑賞となる。

 

 

『修道女アンジェリカ』は修道院を舞台した物語で、舞台も登場人物の服装も実に素っ気ない。

 

アンジェリカはうら若き女性で貴族の出身。未婚で妊娠した彼女は子供を置いて修道院送りになった身。今日は、7年ぶりに後見人である叔母が修道院を訪れ、アンジェリカに遺産放棄の書類に署名するように迫る。子供の安否を尋ねるアンジェリカに、叔母は2年前に子供が病死したことを告げる。

 

子供の死を知ったアンジェリカが子供の死を嘆き悲しみ、最後、自死する場面がこのオペラ最大の見どころ聞かせどころ。

 

キリスト教徒は(ましてや修道女は)自殺が許されないのだが、神の赦しをえて、アンジェリカは天上で子供に会うことを許される。

 

 

それまで淡々と進行してきたオペラが一気にクライマックスを迎える。最近、身内を亡くしたことと相まって、キアーラ・イゾットンの歌唱に感極まって涙😿が溢れてきた。

 

キアーラ・イゾットンは、2021年1月に新国立劇場でトスカを演じたのを聴いたことがある。その時は、非常に声量のある歌手だな〜と思ったのだが、今回は、その表現力に感嘆した。

 

公爵夫人を演じた斎藤純子もよかった。上背があって舞台映えする。イゾットンと互角に渡り合っていた。

 

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一方の『子どもと魔法』はメルヘンタッチなオペラ。『アンジェリカ』がシリアスで暗い話なので、その正反対の組み合わせとなった。

 

ママのいう事を聞かない乱暴な子供が、自分が壊したり、いじめたりしたイスや時計やティーポット、動物や虫たちに仕返しをされる。

 

昨年、東京文化会館で初めて観賞した時は、舞台と客席の距離が近く、子供たちも大勢来ていて、時折笑い声が上がったりして、暖かい雰囲気がとっても良かった。

 

今回は、3階席で距離が遠いこともあって、舞台や衣装は華やかだったけれど、初回ほどは楽しめなかった。

 

舞台芸術ってホント面白い。歌手が上手いとか、舞台が豪華とかよりも、舞台と観客の一体感の方が優先するオペラもあるんだ。新たな発見でした。

 

 

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指揮:沼尻竜典

演出:栗國淳

 

アンジェリカ:キーラ・イゾットン

公爵夫人:斎藤純子

 

子ども:クロエ・ブリオ

お母さん:斎藤純子