今から6年前、2012年11月5日。
俺がベーシストだったCRYSTAL EDGE(2008年12月活動休止・その後2009年9月にアコースティックライブで一度だけプチ復活)時代のメンバーでもあったボーカリストSARIAを俺のわがままに巻き込むような形で、クリスともそのアコースティック版簡易ユニットTack&Sarryとも違う新ユニットとしてLuis+Ciarを結成した。
その当時お互い別々でそれぞれ活動をしていた。
俺はアコギでの弾き語りソロを主軸にしながら、クリスの初代ドラマーSATORUと共にD.j.d(さとちゃんはボーカル兼ギター。しかもリフのセンスが良かった)を結成したばかり。
SARIAさんはクリスの2代目ギタリストSHINPEIと共に結成したKIRAMEKI GO ON(初代ドラマーはさとちゃん)と、クリス時代から掛け持ちで活動していたすいれんを2本柱として活動していた。
自分の活動で忙しいにも関わらず俺のわがままに巻き込まれた(笑)SARIAさんはともかく、巻き込んだ方の俺は自分の活動の合間を縫ってLuis+Ciar用に新たに書き下ろす新曲(特に詞)をコツコツ書き溜めていった。
お互いそれぞれに組んでたバンドの解散や休止、それぞれに新しく組んだバンド(俺はNAKED FLOGサポート、SARIAさんはat∞sky)の忙しさ、そして何よりも一社会人としての忙しさによる、スケジュール調整のタイミング、モチベーションやメンタルの維持やケアなど諸々の事情で、ライブどころかスタジオや路上での音合わせすらする事なく年月は経つばかり。
そう言えば同じ日に、SARIAさんはat∞skyで伊予市の神社の夏祭りでWhiteberryの「夏祭り」を歌い、俺はネイキッドでストハンに出て本物のボーカルの前田有嬉ちゃんに会ったなんて事もあった(笑)。
ハッタリと勢いのCRYSTAL EDGE、
やっつけと付け焼き刃のTack&Sarryと続いて、
今度は忙しいアピールとやるやる詐欺のLuis+Ciarかと二人で自虐的に笑った事もあった(笑)。
この枕詞は否定はしないけど(笑)、それ以上に実際は俺やSARIAさんも含め、クリスは歴代メンバー全員が音楽をやる上で真面目に応え合える真摯な連中である事には変わりない(マジ)。
そして色々な縁や偶然に恵まれ、練習試合やテストマッチのような感じで年末にLuis+Ciarとしての初めてステージに立つことがでした。
演奏曲はクリス時代のオリジナル2曲と相川七瀬さんのカバー1曲。
事前の音合わせもライブ前日にスタジオで1時間合わせただけ。
クリス休止から数えて10年、Tack&Sarryとしての最後のステージやクリスのプチ復活から数えて実に9年ぶりの音合わせ。
久々に合わせても初っからドンピシャの精度という風にはいかなかったけど、やっぱり昔の感覚は残ってる物。
音楽を一緒にやる上で真面目に応え合える人、確かな人はやっぱり違う!
クリスやTack&Sarryでも、さとちゃんと一緒にやってたD.j.dの時もそうやったけど、スタジオでそういう時の精神状態や空気感や音楽(たの)しさは、やってるバンドは変われどメンバーだった者が持ち合わせてるまさにCRYSTAL EDGEのDNA。
クリスで4人ではなくLuis+Ciarとして2人でスタジオで音や意見を出し合っていても、そのDNAを感じずにはいられなかった。
Luis+Ciarとしての初音合わせは、俺、SARIAさん、さとちゃん、初代ギタリストYUSUKEの4人でCRYSTAL EDGEとしての初音合わせを感覚的に思い出した。
あの時は2時間のスタジオで、半ば根拠の無い自信のような感じで手応えとインパクトを感じたから。
俺もSARIAさんもハシりぐせがあるけん、2代目ドラマーYOUがいないと、LUNA SEAやSIAM SHADEのインディーズ時代ばり(良いように言い過ぎ)にハシってしまう(笑)。
これは悪いDNAやね(笑)。
2人で合わせていてもやはり他のクリスメンバーと一緒にやってるような感覚はどこか残ってる物で、バンドアレンジでやってたクリスの曲をLuis+Ciar用のアレンジ(歌もアコギ) に仕上げていく中で「ここのブレイクのとこってYOUくんカウント入れてたっけ?」とか「ここSHINPEIくんどんな風に弾きよったっけ?」などなど2人で言ってた(笑)。
そして迎えたライブ当日。
前述の通り、この日は色んな偶然に恵まれた。
OWLのフリーライブへの出演やったけど、ある意味Luis+Ciar始動のきっかけを間接的に作ってくれた人がその日にフリーライブに出ようと仲間内で呼びかけていて、俺もソロとLuis+Ciarのダブルエントリーで出た。
ロフトスペースでどういうきっかけやったかはよく思い出せないけど(荷物が邪魔にならないですかと声をかけあったんやったかな?)、石川県から来たChijiさんというパーカッショニストと初対面で俺の曲も当然知らないのに一緒にやってみましょうという事になった。
それをSARIAさんに言ったらLuis+Ciarでも叩いてもらおうという事に。
こういうのがOWLのフリーライブの醍醐味でもある♪
それにしてもキメ、シンコペーション、ブレイクの約束事が多い「REAL 69」を、曲も知らない、事前音合わせもしてない、大まかなリズムパターンをちょっとギターを弾いて伝えた程度なのにあそこまで合わせられるなんてスゴいと単純に思った。
この曲はクリスの時も新しく入ってきたメンバーやライブに出られなくなったメンバーのピンチヒッターでサポートしてくれた人達も、合わせで苦労してた曲やったから(笑)。
この曲を作ってた時も、俺は作詞、SARIAさんはメロディ感を掴むのに苦労してたっけな。
偶然の重なりのお陰で初ライブにしてサポートパーカッショニストを迎えてのステージとなり、結成6年の新ユニット(笑)は贅沢で幸先の良いスタートを切ることができた。
自分で言うのもあれやけど、あの日のあの時間のスタジオOWLという空間をLuis+Ciarは完全制覇してみせたと思う。
このライブでの一番の収穫はSARIAさんが何より歌う事を思いっきり楽しんでいた事。
SARIAさんがリーダーをしていたクリスの時は、俺が思いっきり楽しめる機会をSARIAさんが作ってくれていた。
俺がリーダーをしているLuis+Ciarでは、逆にSARIAさんが思いっきり楽しめる機会を俺が作れるようでありたいと思っていた。
何せ結成もあの日のライブもこれからの活動も、俺のわがままに付き合わせるような感じで巻き込んでるから。
10年経ってやっとクリス時代の恩返しができたような気がします。
今は二人ともクリスの時ほどは精神的に気負ってないと思う。
あれから10年、人として年を重ねた事も、演者としてそれぞれ活動の経験値(は○れメタル何匹分やろ?)を積んできた事は決して無駄になっていない。
前にSARIAさんにも言ったけど、クリスがHysteric Blue(リリース、ライブ、メディア出演で忙しかった)なら、Luis+CiarはSabao(ヒスブルのメンバーだった、ボーカルのTamaさんとドラムの楠瀬タクヤさんの不定期活動ユニット)のように、お互いのスケジュールが合うときに無理なく合わせるスタンスでやっていくのがきっと良い。
でもやるからには、大好きな音楽を真摯に音楽(たの)しくやる事には変わりない。
それがCRYSTAL EDGEのDNAを受け継いでいるLuis+Ciarの信条だから・・・。