先日のブログで、俺が原田喧太さん(かつては長きに渡りCOMPLEX解散後の吉川晃司さんのライブサポートにレギュラー参加してたギタリスト)とセッションで吉川晃司さんの「モニカ」を歌ったという事を書きましたが、事情を知らない人は「何でお前なんかが喧太さんのギターで歌ったんど?」と思った方もいられる事でしょう。


まあ、自分でもそう思ってます(笑)。

緊張はしてなかったけど、いまだに自分でも信じられない贅沢な経験をさせて頂いた訳ですからね。

だって高校生の頃、吉川さんにめちゃめちゃハマってたし、その頃のサポートギタリストが喧太さんやったけんね(ハマり始めの頃(アルバムで言えば「Cloudy Heart」の頃)は喧太さんはソロでアメリカに行ってたらしく、代わりに44MAGNUMの広瀬“JIMMY”さとしさんがピンチヒッターで参加してた)。


その日は伊予市の町家で自分の出演したライブを終え電車で松山に戻り、家に帰らずギターを持ったまま夕方にYAH MAN 33に喧太さんの弾き語りソロライブを見に行った。

喧太さんと言えば前述したとおり吉川さんだけでなく、桑名正博さん、及川光博さん、Kinki Kids、松田樹利亜さん、SIAM SHADEのNATCHINさん、デーモン小暮閣下のライブサポートも務めてきて、最近ではJanne Da Arcのka-yuさんのソロプロジェクトDAMI JAWやT-BOLANの森友嵐士さんのサポートでもお馴染み。

しかも、プロのギタリストとして活動を開始したのが中学を卒業した15才の時で、その初の現場が桑名正博さんのサポート。

お父さん(故.原田芳雄さん)のコネもあってそういう繋がりがあったにせよ、決してそれに甘えて胡坐をかく事無く、チャンスをギタリストとしての実力で掴んだ、いわば日本のロック/ポップスシーンの生え抜きのギタリスト。


ライブは2部構成で第1部は既存曲のカバー、第2部はソロのオリジナル曲をそれぞれ中心として、1本のアコギと歌でステージに臨んでいた。

弾き語りと言う事もあり、エレキでテクニカルなプレイをしてる時とは逆に、時おりそういった要素も盛り込みながらも、あくまで歌ありき楽曲ありきである事を前提にローコードを押さえてのシンプルなプレイがほとんどだった。


技術的には初級のプレイではあるけど、その手堅い上手さやセンスがめちゃめちゃ光っていたし、音がやっぱり違っていた。

本当に上手い人ほど初級的な事やオーソドックスな事が上手く、本当に上手いギタリストほどリズムギターやアコギも上手いという事をまざまざと見せられた。


お客さんも参加しての打ち上げは、そのまま会場でオードブルやドリンクに下鼓を打ちながら喧太さんとお話できたり、さらには喧太さんのギターを伴奏にステージでの飛び入りセッションもありの豪華な宴。

そこで俺は吉川さんの「モニカ」を歌ったという訳でございます。


会場に歌本はあったし、もし喧太さんのギターで歌うならやっぱり吉川さんの曲やろと思い、ベタベタの選曲やけどデビュー曲の「モニカ」にした。

喧太さんは俺が選曲すると「覚えてるかな・・・」とか言いながらも、歌本の歌詞とコードを見て、あのジャッジャー ジャジャジャジャジャジャジャジャ ジャジャジャジャジャーというイントロを弾きだしたらすっかりスイッチが入ってた。

もちろん俺もスイッチが入って緊張も何も無かったけど、本物の喧太さんのギターで吉川さんの曲を歌えてる事が嬉しかったし思いっ切り楽しんでいた。


その時にステージ上でも言ったけど、吉川さんがHEY HEY HEYに出てこの曲と「LA VIE EN ROSE」をメドレーで歌った時に喧太さんがギターを弾いてたをビデオに録ってた(ちなみに「BOY'S LIFE」と「KISSに撃たれて眠りたい」も歌ってた)。

俺が高校2年生の時やったんやけど、それを言ったら喧太さんに「そんな古い事をよく憶えてるね」って言われた(笑)。


当時の俺に「お前は20年後に喧太さんのギターで「モニカ」を歌う時が来るぞ」なんて言っても信じてもらえんやろな(笑)。

その頃はまだバスケの方が楽しくて、音楽をやる事自体なんて考えられなかったし。


もちろん翌々日のDAMI JAWのライブも見に行った。

こちらでは喧太さんはエレキでテクニカルなリードギタリストとして魅せてくれました。

ツインギターの一角をなしたKAZUMAさんはSIAM SHADEの時からそうやけど、この人の上手さはライブでこそ分かるし(レコーディングでは歌やコーラスはやっても、基本的にギターは弾かない事が多い)、DAMI JAWではSIAM SHADEの時には弾かなかったようなテクニカルな速弾きや喧太さんとのツインのハモりでも聞かせ魅せてくれる。

KAZUMAさんもやはり上手いギタリストでもあり、歌って踊れてギターも弾ける“スーパーKAZUMA”(SIAM SHADEファンなら分かる)ぶりを発揮していた。


そういえば3年前にもDAMI JAWを見に行った時には喧太さんの投げたピックをワンハンドキャッチした事もあった。

その時と言い、今回と言い、俺は喧太さんに関する運気が良いのかなとも思ったり。


ここ数カ月の俺はギターの練習(特にエレキの)が熱くてそして楽しいのですが、喧太さんという上手いギタリストのライブを見た事がまた自分にも反映されると思うし、セッションで歌った事もステージで堂々としているメンタリティにもより拍車がかかったとも思うし、はぐれメタルを倒した分くらいの経験値を獲得できたかもしれません(最後はドラクエネタかい)。