獣ノ医術師の母と暮らす少女、エリン。
ある日、戦闘用の獣である闘蛇が何頭も一度に死に、その責任を問われた母は処刑されてしまう。
孤児となったエリンは蜂飼いのジョウンに助けられて暮らすうちに、山中で天を翔ける王獣と出合う。
その姿に魅了され、王獣の医術師になろうと決心するエリンだったが、そのことが、やがて、王国の運命を左右する立場にエリンを立たせることに・・・・・・。
やっと獣の奏者を読破しました。
全4巻(闘蛇編・王獣編・探求編・完結編)のファンタジー小説で、1冊が400ページ以上で、しかも挿絵が無い。
1巻を買ったのが去年の秋やったけど、途中で読まなくなって、また続きを読んでの繰り返しやったから、しばらく読まない間に、物語中の舞台、登場人物、地名、用語の設定が、どれがどうだったのかけっこう忘れてる事もしばしばやった。
去年、NHKで「獣の奏者 エリン」というタイトルでアニメ放映されていたのをたまたま1回だけ見て、それがきっかけで気になってググって(Googleで検索)、もともとはファンタジー小説だという事を知って読むようになった。
アニメになったのは2巻までのストーリーで、作者の上橋菜穂子さんも2巻で完結させていたけど、続きが読みたいという声に応え4巻まで書いた。
文庫版(全4巻)も出ていて、難しい言葉はその言葉のあとの括弧内にその意味を書いて低年齢層の読者にも分かりやすくしていたけど、単行本の2巻までの所で完結させている。
もし文庫版が出版されたのが単行本版の3巻より前だとしたら、そこで終わっていてもおかしくないかもしれない。
単行本版の出版の方が先だったとしても、3巻以降は子供が読むにしては(一応、児童書のコーナーに置いていた)かなり複雑かつ重いストーリー展開のような気もする。
逆を言えば、もっと上の年齢層にも読み応えのある作品という事。
前述したように挿絵が一切無いから、文字だけで描かれてる情景描写が視覚的にはどのような物か想像するだけでも感受性が磨かれる。
アニメだけでは描かれ切れない登場人物の心情も細かく描かれているし、文字だけだから色や風景などの表現の仕方も見事。
主人公のエリンが何を想い、何が正しくて、謎を追う度に出会う出来事が謎の答えにどう繋がってるのかを自分でも考えながら読むと感情移入できます。
そうする事で、この本のストーリーの壮大さを一層実感できます。
途中で読まなくなって、また続きから読んだりの繰り返しで、まだストーリーをちゃんと理解できてない部分が所々あるので、また1巻から読み直します。