今日は会社から休みをもらい朝から病院へ足を運ぶ。

医者「今日で125日経過ですねー」
医者「動かしてみてくださーい」
医者「問題ないですねー」

3分程度で問診は終わり。
せっかちな私は淡々とこなすこの医者が好きだ。
看護士とボケ合う様子を見ていると、オンオフのある人で好感が持てる。


125日前-

私はフットサルを仲間たちとしていた。

実力は置いておいて、サッカーボールを初めて蹴ってから25年もの歳月が流れていた。


その歳月の中で年々増えていく体重。


私は気にしていなかった。

『大盛無料』

なんて素敵な響きだ。
外食で無料大盛りを利用しなかったことはきっとないと思う。


しかし、体重の増減が運動とヨーグルトで、1週間程度で3キロ4キロ落ちることに味をしめていた私は、
痩せようと思えば痩せられると鷹をくくっていた。


-さて、本文に戻ろう。
この日まで、体重増、増、増の状態で、フットサルに臨んでいた。


前日降った雨により、ぬかるんだフットサルコートだったが、試合が始まった。


事件が起きたのは、何試合かこなしてラスト2試合、3試合だったかと思う。


私はボールを味方選手より受けるために走った。


次の瞬間、ぬかるんだコートに足を取られて、右足がひっくり返った。すごく足首が伸びた。足首が伸脚でビンビンに伸びてるイメージ。
の、裏返しver。

しかし、走っているので伸びをストップさせるスーパーキャンセルは効かない。


そのまんま態勢を崩したが、進行は止まらない。


右足がひっくり返った状態で足首から膝にかけて、
骨が軋む。

体重増増増のオプション付きで。
思い返せばこの荷重がきつかったように思う。


…ギシ


…ギシシシ…



「ボキャーン!!」

私には確かにそう聞こえた。


「what??」


ボキャーンだった。

人生で一度も折ったことはなかったが、ボキャーンとはっきりと聞こえたので、骨折したとすぐにわかった。

地面に身体全体が不時着。
無意識に私は、痛みから、握りこぶしで地面を殴っていた。

私の異様な痛がりを見て、仲間たちがすぐに救急車を呼んでくれた。

荷物類がロッカーにある。

仲間「タカシ、ロッカーの番号は!?」

私「ヨロシコです!!」

仲間「いや、だからロッカーの番号は!?」

私「いや、だからヨロシコです!!」


気が動転しているのか。


いや、そうではない。


私はロッカーの番号を4645(よろしこ)に設定していたのだ。


懸命に痛みに耐えながらヨロシコですと言い続けていたあの光景はとても滑稽だったに違いない。


その後、フットサルコートに救急車が到着した。


自爆した私を受け入れてくれる病院がなかなか見つからず、やっと決まった先は渋谷だった。

うまれて初めて救急車に乗った。

まるで瀕死の感覚だった。
救急車を見渡すと命に関わる人のための機材が360度ぎっしりあるように感じた。

明日からどうしよう。どうしよう。何をすべきだ。命に別状はないのだが、症状から
察するにおそらく長期離脱を強いられそうだ…。だって。すごく痛いもん。

明日会う予定だった、不動産会社とのアポが一番最初に思い浮かんだ。

ピーポーピーポー。

サイレンが鳴る中、不動産会社へアポイント修正の連絡を入れた。

私「あのぅ、今救急車なんですけども、恐らく折ってしまいまして。明日のアポイントをずらしていただきたいのですが」

きっと正解はヨメンにTELしてもらう。が正解だったに違いない。

救急で運ばれた病院の医師はとても忙しい。
私は運ばれはしたが、救急担当の病院から見れば、生きてるし、大丈夫。

救急車で何人もの人が運び込まれてくる。

実際私も症状の悪そうなおじいさんが後から来たが、先に診察に運ばれていった。

私の番がきた。
病院からすれば、私が折れているのか折れていないのかは、正確にレントゲンを撮らないと、わからない状態だった。

看護士「腫れてるねー、サッカーソックスどうするぅ?ハサミで切るぅ??」


私「今私にとって大切なことは、サッカーソックスの価値はすごく下で、うまれて初めて骨折と向きあうところで不安でいっぱいです。そんなことは構わないので一刻も早く何かしらの処置を!!何卒!!」

…とは言えず。

私「全然切っちゃってください!!(大至急)」


ハサミでソックスを切り、素肌が見えた。


パンパンに腫れてる。


レントゲンの後、続いて診察。
折れてる私の足を、救急担当医がコードレスの電話で、電話応対しながら触る。

救急担当医「だからぁ、○○が○○で○○なんだよ!!」

イライラしてそうだなと。

診察は、強めに私の屈曲の確かめに入っていた。

電話しながら。


私「グオー!!!(痛)」


痛すぎて車椅子から転びそうになるのを必死で腕でしがみついた。
同行してくれた仲間が笑いをこらえて震えている。

患部は足なのに、なぜかお尻が、レスポンス。ぶるぶるとオートバイブレーションしている。


私の、泡が吹きそうなくらい痛い苦悶の顔を救急担当医が忙しさで、見ていただけなかったのは残念であった。


触られる度にグオーと叫んでいたので診察室から出た時は他の来院されてる方からのあの人だ…という視線を感じた。


…長くなったが


渋谷から埼玉県へ担当病院が変更となり、
結果として私は

右足首脱臼骨折および右足腓骨複数箇所骨折

という症状だった。

残念ながら好きなサッカーを全力ですることは、今年いっぱいは無理のようだ。

あれから125日。今ではやっと3キロ程度なら走れるようになった。痛いけど。


そういった意味でもダイエットと常日頃からのスポーツは大切なんだなと思った。


今日は午後から雨が降るらしい。
曇り空の湿気っぽい空気を感じた。
あの日を重ねたが、能天気なわたしはマイペースに家路に帰るのだった。


おしまい