スーパーコンピューターについて調べ物をしていました。スパコンの考察にきっと実現されていそうなビジネスアイディアをくわえてブログにうpします。文体が違うのはもともとが学校のレポートだったからです。
1.スーパーコンピューターとはすごいコンピューター。
スーパーコンピューター(以下スパコン)。直訳すると、すごいコンピューターである。では、何がすごいのか?Wikipedia(http://ja.wikipedia.org/wiki/ )のスパコンの項目には「演算処理速度が非常に高速な電子計算機」と書いてある。スパコンは演算処理速度がすごいコンピューターなのだ。
普段、私達が使っているパソコンの演算処理速度は、一昔前のスパコンの演算処理速度と変わらないというのは、よく聞く話だ。よって、その当時の技術水準で演算処理速度が速いコンピューターがスーパーコンピューターと呼ばれる。何をもって「スーパーコンピューター」と呼ぶのか、その基準は曖昧だ。だが、あえて基準を挙げるのであれば、世界中のすごいコンピューターのトップ500をランキングしたウェブサイトなどが参考になる。(参考:top500.org: http://www.top500.org/
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2.地球シミュレーターと6000台のプレステ2
演算処理能力のランキングによると、NECの地球シミュレーターは現在第4位。2002年から、昨年11月にIBMのブルージーンLに抜かれるまで、地球シミュレーターは世界最高速をほこるコンピューターだった。
地球シミュレーターの演算能力は35.61TFLOPS(テラフロップス)。一秒間に約35兆回の計算(浮動小数点演算)をする能力をもっている。プレステ2の演算能力が6.2GFLOPS(ギガフロップス)で、一秒間に約60億回の計算が可能だ。ざっと見積もって、地球シミュレーターはプレステ26000台分の演算能力をもっていることになる。地球シミュレーターは8GFlOPSのプロセッサーを8個搭載したコンピューターを640台繋いでいる。プロセッサーは5120個使用されていることになる。
適切な例えではないかもしれないが、プレステ2を5000台ほど繋いで、ものすごい計算能力を実現しているのが地球シミュレーターのイメージだ。膨大な数のプロセッサーを並列的に繋いでいるので、地球シミュレーターは超並列マシンと呼ばれる。ただ、何個以上並列に繋げば「超」並列マシンなのか定かではない。スパコンの定義と同じくあやふやだ。
3.スカラ型とベクトル型
スパコンとひとくちに言っても、大別して、スカラ型とベクトル型の2タイプある。スカラ型は、汎用プロセッサーを多数並列して高速処理を実現するタイプで、ベクトル型は専用のプロセッサーを搭載しているタイプだ。一般的に、スカラ型は同時に多数の演算を処理する遺伝子の解析などに向いており、ベクトル型は複雑で大規模な演算を必要とするシミュレーションなどを得意とされる。スカラ型の代表格がIBMのブルージーンLで、ベクトル型の代表格がNECの地球シミュレーターだ。
ブルージーンLは現在もパフォーマンスを増強中で、最終的には1024個のプロセッサーを搭載したラックを64台使用し、今年末に約270TFROPSを実現することを目指している。プロセッサーの数にして、60000個と、地球シミュレーターのおよそ12倍の数を使っている。汎用のプロセッサーを使用し、安価にスーパーコンピューターを実現できる。
一方、NECの地球シミュレーターは専用のプロセッサーを使用して、少ない数のプロセッサーで高性能を実現した。また、カタログスペックと、実効スペックの格差が大きいスカラ型とは違い、その乖離は小さい。そのため、研究者など、スパコンの主要顧客から支持を受けている。スパコンの世界には、安価なプロセッサーの「量」で性能を向上させるのがスカラ型で、高価なプロセッサーの「質」で性能を向上させるのがベクトル型である。
アメリカの物量作戦に、「質」で対抗している地球シミュレーターには、心からの賛辞を送りたい。しかし、スカラ型とベクトル型、どちらのアプローチが合理的かと考えると、スカラ型の方が合理的なのではないだろうか。ムーアの法則によると、コンピューターの処理能力は1年半から2年で倍増する。この法則はこの40年間IT産業を支配し続けてきた。どれほどプロセッサーの「質」を向上させても、1年半から2年で陳腐化していく。ならば、現在使える技術について、莫大な「量」をつぎ込んでパフォーマンスを向上させようというアプローチの方が合理的であろう。
4.ネットワークが拡大する演算能力。
グリッドコンピューティングとは、インターネットなど広域ネットワークで繋がったコンピューターの資源を結びつけ、仮想的に一つのコンピューターシステムを構築することである。地球外生命体を発見するプロジェクトの一環であるSETI@home はこの仕組みを利用して、およそ63TFLOPS(2004年1月)という、途方もない演算能力を獲得した。2004年10月に販売されたNECのSX-8(65TFLOPS)とほぼ同じ演算能力だ。他にも、グリッドコンピューティングの仕組みを使って、スパコン並みの演算能力を得た事例は多く報告されている。
グリッドコンピューティングの分野で最近注目を集めているのが、来年にも発売が予定されているPS3に搭載される予定のCELLだ。CELLはグリッドコンピューティングの技術を活用して、仮想的に膨大な演算能力をつくりあげることができる。また、プレステ3の演算能力は2TFLOPSと発表されており、現在のスパコンと遜色ない能力をもっている。単純に演算能力だけを考えれば、18台のプレステ3で地球シミュレーター並みの演算能力を実現できてしまう。こうしたことが技術的に可能かどうかは分からないが、仮に、プレステ3の演算能力がネットワーク経由で結ばれれば、現在、スパコンでも実現されていないペタフロップス級の演算能力をわずか1000台でまかなうことができる。出荷されればペタ(1000兆)どころかエクサ(10京)へ一足飛ぶことになる。
5.スパコンの市場。
近年、金融市場のリスク分析や、新薬の開発、製品の設計などに、高度な演算能力が必要とされており、それまで研究分野での利用が主だったスパコン市場の拡大が期待されている。安価な汎用プロセッサーを用いるスカラ型スパコンは、ベクトル型スパコンより安く演算能力を獲得することができ、市場で主導権を握っている。一方のベクトル型スパコンは、最大性能65TFLOPSを誇る、世界最高速の商用スパコンSX-8を実現しており、技術力が高い。代替として、既存のコンピューター資産を活用したグリッドコンピューティングを導入することもできる。現在の企業向けのスパコン市場は、価格の面で勝るスカラ型のスパコンが主導権を握り、技術力にまさるベクトル型がスカラ型を追い、代替品としてグリッドコンピューティングがあるという状況だ。
インターネットをはじめとするネットワークがスパコン市場を壊す可能性は否定できない。ネットワーク上で膨大な演算能力を生み出すことを前提に作られているCELLが発売されると、ユーザーがCELLの処理能力を企業に貸し出し、小額の報酬を得るというビジネスモデルが誕生するかもしれない。こうしたビジネスが産まれると、スパコンの市場は壊れてしまう。また既に、旧来の市場である学術分野では、「がんの原因を発見する」「地球外生命体を発見する」など、社会貢献、知的好奇心を満たすようなプロジェクトにおいて、ネットワークがスパコンの市場を侵食している。インターネットをはじめとするネットワークは、スパコンのあり方を変えるのだろうか。
6.スパコンのビジネスアイディア
どこかがやっているかもしれないけれど、ネットワークで繋がったユーザーのコンピューターの処理能力を貸し出すようなビジネスはないのだろうか。インターネットネット経由でコンピューターの処理能力を貸し出している企業は、たしかあったはずだ(あやふや)。ユーザーはパソコンの処理能力を企業に貸し出し、小銭をもらう。10億回の演算で100円みたいな感じだ。企業とユーザーの間には仲介業者が入って、手数料を貰うビジネスモデル。ユーザーに処理能力を提供するソフトウェアをダウンロードしてもらって、「車の衝突実験シミュレーション」「新薬開発」「リスク計算」など、いくつかの貸し出しプランから選択して処理能力を貸し出す。もちろん、UDなどのボランティアも選択できる。長期的には、グリッドコンピューティングのポータルになるようなソフトウェアを目指す。「Webページのインデックス化」みたいなプランがあっても面白いかもしれない。問題としては、初めからそれなりの規模が必要になってくる点だけだ。あとは、パソコンをつけているだけで小銭が入ってくるという、結構うれしい事態が起こる。電気代がかかるけれども、電力会社が原子力発電のシミュレーションするのにこのシステムを活用して「パソコン分の電気代を負担します」とかキャンペーンするのもいいかもしれない。
ネットワーク上にあるわずかな資源を集めて、膨大な量にするところがロングテール。ネットワーク効果はデフォルトで付いてくるし、ユーザーが価値を付け加える。これってWeb2.0とか言えませんかね。ということでまとめると、
・ユーザーは企業に処理能力を貸し出して小銭を稼ぐ
・料金は演算回数や、UDのポイントのようなものに応じて設定される。
・仲介者はユーザーと企業を繋いで手数料を得る。
・仲介者はグリッドコンピューティングのためのソフトウェアを用意。
・仲介者は、処理する案件を複数ユーザーに示す。案件はユーザーが決める。