ついにきた。黄色い袋が被せてある点滴だ。この黄色い袋が抗がん剤の印らしい。つまり、危険な薬。ほかの点滴とは間違えない様に、袋が被せてあるんだ、と思った。これを、数時間もかけて注入していく。どうか、気分が悪くなりませんように。

 少しだけ、気分がわるくなったが、特に吐き気もなく、一日切り抜けた。針をぬいてもらうとき、すっきりした。これを、また二週間後、もう一回うけて、それからその効果を見て、手術方針が決まるようだ。どうか、抗がん剤が効きますように。私のタイプは、細胞の分裂が活発なガンらしく、このタイプは抗がん剤の効果が高いので、期待ができるという説明を先生にうけていたので、祈るような気持だった。