90kmからゴール100mぐらい先で   関門の番人が大きな声で叫んでいます



タイムリミットまで

3分!いける、いける


え?関門?赤ちゃんぴえん

90kmは11時間39分に通過していたので

もう関門は無いと思っていたのに…

まだ、ありました


91.5km関門閉鎖時間

11時間54分

91.5km通過時間

11時間51分


残り8.5kmだよ!門番が叫びました

逆算すると

1キロ当たり8分で走れば完走出来ます

何とか行けそうだ…


が、しかし

事件は現場で起こりました…

あ〜

前を走っていた男性が

大声で叫び倒れました!

どうやら足が攣った様です

正直、迷いました…

関門も閉鎖され後続ランナーも

ほとんど居ません…


ここはカムイワッカ

(国定公園内の細道)

回収バスだって来るとは思えません


でも、倒れた男性は

くそ〜もう少しなのに

と叫びました

まだ完走を諦めていない様です


「見捨てて完走しても嬉しくないな」


僕も完走は諦め彼を介抱しましたが

少しすると、また痛くなりの繰り返しです

その時、前方から

ワンボックスカーの回収車が来ました

(バスじゃない回収車があるんだ!)


リタイアするしかないか

男性はそう言うと

男性はバスに回収されて行きました


その時です

おーほっほっほほー

タボチよ、お主よくぞ決断した

最後のチャンスを与えるぞよ!


   さあ、行くが良い


ところが、数分時間が経過したので

関門も閉鎖され

僕の後ろには誰もいません


残りを10kmを1時間で走らなければ

完走できません…

これまでのペースで走ると

10分オーバー

明らかにアウトです


しかし、気温は下がり始め

涼しげな風が吹き始めました


まるでマラソンなど無かったかの様に

静まりかえったカムイワッカ



それはあまりにも不気味で居心地が悪く

まるで悪霊から逃れるかの様に

僕は無我夢中で走り続けました


あの時の光景は生涯忘れる事は

出来ないでしょう


頭の中では何故か

ジュピターが流れていました



途中、数人のランナーに追いつき

一緒に行きましょう

と声をかけましたが

足取りもうつろで

皆んな亡者の様な表情です


しばらく走るとワッカ折り返し前に

楽しく談笑した

40代ぐらいの女性に追いつきました

「急げば間に合います

頑張りましょう」

と声をかけましたが

目もうつろで

返事も言葉になっていませんでした


数キロ走ると

まだ脚が動いている

小集団に追いつきました…


しかし、このペースでは

とても、完走圏内ではありません


もう声をかける事すら諦め

僕は彼らを後にしました


ようやく

カムイワッカの出口が見えて来た頃

大集団が遠くまで続いています

完走圏内に追いついたと思いました


しかし

スピードを緩めず追い抜きます


ワッカの林を抜け暫く走ると

歩道を走る羽目になり

ランナーでごった返し抜くに抜けません


前方にはサロマンベイビーの相方が

見えてきました


最後の直線です…

多くの方々に囲まれてます



お帰り

と言う応援が心に響きます


なんと

のりじぃさんが出迎えてくれました


ゴールには3時間も前にゴールしたヒデさん

そして熱中症に耐えたヤンヤンさんも

出迎えてくれました



お父さんはやったよᕦ(ò_óˇ)ᕤ

心の中で娘にも報告しました


こうして僕らは

サロマンベイビーから

サロマンキッズに昇格しました


猛暑の中、ボランティアの方々

応援頂いた皆様方

ありがとうございました 


そして

サロマの同志達に乾杯

🍻

来年もサロマで会おう!


↓火あぶりの刑(笑)



キャスト


【主演】

ボランティアの皆様


応援の皆様



【友情出演】


あーちゃんさん


宇宙人さん


チャーリーさん


たいがぁさん


のりじぃさん


ひでさん


モコランランさん


やんやんさん


魔女の方々


【通行人】


りえるさん


タボチーニ



いつかはサロマ

「サロマンベイビー編」

お付き合いありがとうございました



挑戦は続きます


また、いつかどこかでお会いしましょう