Losin' | taburogu

Losin'

自らの限界を超えたいと、予定表を文字で埋めてみた。削れるだけ時間を削り、三~四時間しか眠れない日々が続いた。風呂にもゆっくり入れない、本を読む時間すらない。積み重ねて来たものが壊れるかもしれない。そんなリスクを抱え、無理と承知で無理をしていた。

いったい何を手にしたかったのだろうか。何をするにも余裕がなく、見直す時間もなかった。一時のものを手にしてそれに喜んでた。一時のものでなければ喜んではいられなかった。そうしているうちに何を失ったかわからなくなるほど、大きな何かを失ってしまった気がする。

ただの文字だった予定を全て現実にした。寝坊を含め、遅刻は一度もしなかった。迫り来る時間を全て乗りこなした。だけど、なぜか悲しかった。現実が空想への扉を閉ざして行く。全てのものが灰色で、夢を見る前に目覚ましが鳴っていた。

永遠は誰のものだろうか。そんなことばっか思っていた。直接的すぎる思考が、永く遠い距離を強引に近くしようとする。ズルだって、理由を組み立てればズルじゃない。そうやって、普遍的なものを追い求めてしまった。永遠なんてつまらない。そんなことを忘れていた。

初めて夜更かしをした朝、夜の短さに驚愕した。今の悲しみはその時の悲しみに近い。振り返る場面、すれ違う人。手を出したらいけない世界。昇る朝日が街を照らすが、コンクリートは今日も冷たい。

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