大人の階段、上る | taburogu

大人の階段、上る

去年の誕生日は、そのとき仲が良かった男の家に行った。終電ギリギリの新宿駅で立ち話をしていたら、その流れで行くことになった。中野駅を降りた辺りで時計の針が12時を回り、何通かのメールと、いくつかの着信に携帯が光ってた。「携帯ばっかいじってんだね。」と一言残した相手は、その日が俺の誕生日だとは知らなかった。正確には、俺が教えてなかった。

どうしても素直になりきれない自分がどこかにいるみたいだ。譲れない部分、隠しておきたい部分、全部さらけ出したって変わるものなんてそうない思うのに。何も恐くないけど、恐い。大切な日を一緒に過ごしてることを知られたくない。付き合うとか付き合わないとか考えなかったわけじゃない。けど、誕生日だと言うことができず、祝ってはもらえることは当たり前になかった。

大人になることは素直になることだと思う。譲れない部分がきっと増えて行くだろうから、今のうちに素直になっておくべきなんだと思う。好きなら「好き」と言わないと伝わらない。ガラスの靴の様に、12時を回ってもとけない魔法はあるかもしれない。けど俺には魔法は使えない。夢ばっか見てはいられない。でも夢は見ていたい。俺だって、幸せは誰かが運んでくれると信じていたいのだ。

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