Futures | taburogu

Futures

「ずっと壊したかった。」

終電も終わり人波が止んだ街を風だけが通り過ぎていく。止まった時間をそのままに残して、誰も止められない時が、誰も恨まない時が、ひっそり通り過ぎていく。夜の静けさに身震いさえする。けどきっと大丈夫だ。通り過ぎないものが、今でもあると心を強くするから。

「けど、守ってやりたいって思った。」

愛されたことに応えようと必死だった。ずっと愛して欲しい。ずっと望んでいて欲しい。たった一人に世界で最大に見出されて、そのたった一人の為に最大の努力をしたい。口では言えない。ただの欲張りかもしれない。でも、本当に必死だった。やっぱり、俺も愛していたんだと思う。

「話してやりたい話がいっぱいあんだよ。」

あの時、話す話なんてなかった。でも、それで良かった。いくつもの選択肢から選んだ未来は、もう通り過ぎようとしている。桜が咲きかけていて本当に驚いた。愛されて、もらったものは輝きを褪せない。一年が経つ今も昨日のことの様に思い出すのだ。

(今も、一人ですか?)

心地よい日差しに窓を開けても、春の朝はまだ寒い。これから何年もこの季節の朝には思い出すのだろうか。何通りもある未来がこの先に待っている。春も何度も咲いていく。けどこの先に、こんなにも人を愛すことを俺はできるのだろうか。

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