映画「ヒメアノ~ル」を見た。
映画の感想と、僕がどのように映画を観ていたのか、を書こうと思う。
そしてネタバレもあるのでご注意です。
原作を読んでいた(中身はほぼほぼ忘れ、ただイッキ読みした)のと、監督吉田恵輔に興味があるので、「これは見ざるをえんっ」と勢い立って、映画館に足を運ぶこととなった。
結論からすると、めっちゃよい映画だった(そうやろうなと思ってはいたものの、ほんとうにそうだった)。前半はムロツヨシと濱田岳と女の子が出てくる。大活躍の森田剛は、ここでは控え目。濱田岳がどうなるかと思ったら女の子とらぶらぶになって、先輩のムロツヨシが愕然とする、「君、僕の親友だよね」とチェンソー持って後輩を脅す(ここはギャグみたいなん)。
ここまでは、濱田岳視点と言うか、主人公に共感できるかんじがなくはなかった。お前そこ代われやというシーンが多かった。要するに、彼女がとてもかわいかったし、それが微笑ましい日常としてきっちりと描かれていたため、観客の感情がそっちに向かっている(たぶん)。ムロツヨシ先輩との関係も、ヤベえ感が盛り上がっていて、それが危なっかしかったりもした。そういうのも含めて、三人を好きになれるようなプロットになっている。
そして後半。(確か英語表記で)「ヒメアノ~ル」タイトルイン。ここで森田剛演ずる森田が、彼女と主人公のいる部屋を見つめているというシーンがある。ぞくっとする。”何かが始まる”感がエゲツない。ここからは、森田の彼女への執着?というかストーキングがガアーっと勢いを増し、たぶん自分の視点もそちら側に移った。つまり、行動しているのは「森田」なのだ。さっきまで見ていたあいつら(三人)がどこかに移り、自分の視点は森田の方へ引き寄せられた。分かりにくい書き方だが、森田の行動がエスカレートするのを傍観しつつも、主人公とその彼女、ムロツヨシ、森田の旧友、などなどに危機が来ているのをひやひやしながら見ているという状況。この辺から展開がすさまじくなっていく。思考が追い付けなくなってくる。徐々に徐々に、近づいていく森田。が、彼女を襲う。「やめてくれー!」、「濱田岳はやく来いやー」、と思いつつ、「はやく脱がしてくれー!」「パンスト履いてたんだな・・・! じゃあ… なおさらやないか!」と同時に思う。そこまで思わせる「森田」というキャラクターは好きだ。それを見せてくれた吉田恵輔も好きだ。
女優の名前は、佐津川愛美だった。映画を観終わってから、気付いたらググっていた。もちろん、画像を検索したのだが、ここで興奮すると森田と同じじゃないか、と理性が私の指をケータイから手放させた。「やるな! … 理性よ」と思ったのも束の間、また同じ佐津川愛美の名前が、グーグルのエンジンのブルブルという音を復活させていた。大変だった!
とんでもない可愛さだと印象付けられていたのは、やはり濱田岳演ずるフリーター岡田への思い入れからだろう。なんか、自分の彼女なのではないかと錯覚してしまった。そして、だからこそ森田という殺人者が「恐怖感」を伴っていたのだと思う。そういうのが、キャラクターとして機能する(している)ことかもしれない、と思う。本当にそう映っていたなら、やはり不安や緊迫感のある関係性がおもしろさを作ると学べた。
なんにせよ、旧友である森田と岡田(濱田岳)のラストシーンはキツイ。犬が最後に出てきたあたり、『スノーピアサー』を思い出した。まあ、そこだけやけど! 似てるの!
思い出すと、心がむがむがすると言うか、なんとも言えない気分になる映画だ。小学校で仲良かった友達との、今の微妙な距離感に思いを馳せられさられた。



