観る者に対して無遠慮に淡々と物語は進んでいき、視聴年齢よってはまったく意味不明な映画だろう。
「希望」を失った現実は切なすぎて残酷だ。
久しぶりに感情を揺さぶられる映画を観たような気がする。
平日のショッピングセンターの開店前や開店直後には、引退したであろう男性の年配者を多く見かけと家内が言っていた。
先日文具を買いに朝一番でショッピングセンターに出向く機会があったが、家内の言うことが本当だということを知る。
閑散としている開店直後のショッピングセンターに、特に目的があるとも思えない老人達がフラフラとさまよう光景はある種異様にも思えた。
義父はリタイアしてからパチンコを覚えたらしい。一円パチンコってやつだ。すっかり社会性を失ってしまった虚ろな義父の姿を見てはいられない。
俺の父親は三年前に母が亡くしてから、すっかり老け込んでしまっている。
年配者をディスっているわけではない。濃淡の違いはあれど俺にしても同じことだ。会社の中では僅かな生産行為はしているものの、クリエイティブな行いは何一つしてはいない。もはや再生の能力も気力もなく、ただひたすら時間が過ぎるのを待つばかりだ。
永遠に叶えられる希望もあれば、いつか消えてなくなってしまう希望もある。
希望を失ったときに、それが将来の自分に何をもたらすのかを知っておく必要があるんだと思う。