満つる月の舞う夜に 秋の虫が鳴くのです
途切れの糸を紡ぐ様に 羽を震わせ鳴くのです
わたしの生は今宵までよと せわしく秋に鳴き続くのです
雲を忘れた夜に行く 月を想いて鳴くのです
風一吹きの闇の間に あゝ 逝くのです と 想いを唄い
遠くに鵺が嗤う様な 耳鳴り遠くに聞きながら
わたしが風に吹かれ消え 流す涙に同じくとして
川面に映る幾多の夢が 揺れては昨日に溶けて行きます
秋の夜に舞う縁の唄を 遠き心の淵に置き
わたしは夜に向かいます 見えぬ雲に流されながら
さようならと言えずに終えた あなたの事を胸にして
いつまでもいつまでも 永遠の唄を口ずさみ