上海からホーチミンは4時間以上のフライト。
到着は深夜になってしまいます。
そのため心配事がふたつありました。
1.現金(ベトナムドン)が入手できるか?
2.ホテルまでの交通手段はどうするのか?
ひとつ目はどう解決したんだっけ?
全く記憶にないってことは空港で現金を問題なく手にしたはず。
外貨両替カウンターが開いていて、少額替えたのか?
ATMがあってそこで少しおろしたのかな??
ふたつ目は少々ごたつきました。
事前に友人から得ていた情報は「ホーチミンの空港にはタクシーカウンターがあるから、そこで行き先を告げてチケットを買えば、ぼったくられる心配なし」というものでした。なのでカウンターにさえ行けば何とかなると甘く考えていました。
でもやっぱりそれは甘かった。
夜中の到着なので、タクシーカウンターには誰もいませんでした。
困ったけれど、怪しい白タクに乗るのはお金よりも命が心配なので嫌です。
ウロウロしていたら制服っぽい恰好をしたお兄さんが声を掛けてきました。私以外の人達もその人の手配で次々とタクシーに乗っていっているので、この人を信じて頼ることにしました。
「KINGSTON HOTEL」と目的地のホテルの名前を言うと料金を告げられました。いくらだったのか覚えていませんが、両替したお金で十分足りるし、良心的な金額だったはず。
料金は乗車前にこのお兄さんに支払います。だから運転手に後からお金を払わなくてよく、ぼったくられる心配がないのです。タクシーカウンターに人はいなかったけれどこのお兄さんが結局その役割をしていました。
お兄さんが、不安そうな目をしている若い男性に向かって声を掛けました。
「行けるな?」「は、は、はい」みたいなやり取りの後、私はその不安げな彼の車に乗せられました。
強盗はしなそうなので安心だけれど、なんとも頼りない運転手さんだ。
走り出してからも、とにかくずっと不安げな運転手。
携帯で電話をかけ始めました。
私はベトナム語を全く聞き取れないのですが、雰囲気からして(この人、道分かってないな)と察しました。
私が泊まるKINGSTON HOTELはマイナーな3つ星ホテルだから仕方がないけど、あてもなく走り回られても困ります。
なにせ夜中だし、こっちはもう眠くて仕方がない。
つたない英語で「KINGSTON HOTEL分かってる?問題ない?」と聞いても「OK OK」と、全然OKじゃない顔と声で答えるだけ。この運転手のあんちゃんは終始不安そうな目でおろおろしているので私をどんどん不安にさせる。
これはまずいかも?と私も焦ってきて「ストップ」と言ってみましたが停まってくれません。再度「ストップ!ストップ!」と叫びながら足を踏み鳴らし、手でドアをたたきました。
とりあえず一旦泊まってお互い頭を冷やさなくちゃ。
やっと車を停めた運転手のあんちゃんに、読めるはずないけど「地球の歩き方」の地図を見せながら「ベンタインマーケット!Go to ベンタインマーケット!OK?」と大きな声で言うと、ちょっと不満げに「OK」と返しながら走り始めた。
私は(不満なのかい!こっちのほうが不満じゃい)と心の中で悪態をつく。でももしかしたらそれは声に出てしまっていたかも知れません。
宿泊予定のKINGSTON HOTELはベンタインマーケットから徒歩3分程。運転手さんもさすがにホーチミンいち有名なこの市場を知らないはずはないだろうから、とりあえずそこまで連れて行ってくれたらそれでいいやと考えたのです。
ところが、途中で何人かに道を尋ねた結果ベンタインマーケットではなく、ホテルの入り口まで案外すんなりとたどり着きました。
到着すると運転手のあんちゃんの表情が急に得意げに変わり「迷ったよ、あの女うっせーし、でもちゃんと到着した」的なことを他の人と話ている様子。
※会話の内容は私の勝手な妄想です。
なんだあの表情の変わりようは!でもありがとう、無事に送り届けてくれて。
だけど悪いけど、さすがにチップはあげられません。
早々にチェックイン。
眠い眠い。さすがに深夜(下手したらもうすぐ夜明け)
頭は興奮気味でしたが、体は疲れているので早く眠りにつくことにしました。
短い旅なので遊べるのは明日と明後日の2日だけなのです。