食欲はそこそこ。お腹がすけば催促もしてくる。食べる量は減ったし、トロトロじゃないと食べてくれないけど、いつ自力で食事がとれなくなってもおかしくない事を思うと、食べてくれるだけ喜ばしい。

 

少し部屋を離れるだけでも不安そうに声をあげる。おぼつかなくなった足取りで、懸命に追いかけてくる姿は泣けてくる。にゃん自身のにおいがしなくなって、私の衣類の匂いをまとってる。何度嗅いでみても、にゃんのにおいじゃない。物足りない。さみしい。

 

顎を私の左腕に乗せて、横向きスフィンクス。おさまりがいいのか、お気に入りスタイルのようで、自然と定着。負担となる左腕すら愛しく感じる。嫌いだった抱っこも落ち着いた様子で、むしろ望んでくるようになった。

 

確実に終息に向かってはいるけれど、穏やかなひと時を紡いでいけたらと願わずにはいられない。癌と生きるにあたって、苦痛を伴うことも、難しい選択をしなければならない事があることも、承知済み。覚悟は自ずと出来てきた。日々の中で思わされるから。

 

ふとしたことに泣きそうになるけど、自分の気持ちにフタをするのは辞めた。泣けばいい、悲しんでいい、でも、にゃんの前ではダメだよ。って自分に言い聞かせてる。

体が思うように動かせないもどかしさに不安や焦りを感じてるのは、にゃん自身だもんね。にゃんだって気づいてる。あれ?って思ってるよね。

 

出来ることは限られるし、メンタル面のサポートがメインにならざるをえないけど、闘病中って、それこそが他のなによりも励みになった覚えがある。生涯無償の愛を約束したにゃんに、責務を果たします。