4月のある日、いつものランニング中に違和感を覚えました。地面を蹴る力に比べて、出力されているスピードが遅いのです。最初は「調子が悪いのかな?こんな日もあるよな」程度に考えていたのですが、ランニングを終え、クールダウンし、着替え始めたころに違和感の正体に気づきました。

 

腰痛です・・・

筆者はよくぎっくり腰を発症します。今回は姿勢に注意すれば何とか歩行が可能なため、無理のない程度で仕事をすることにしました。無理のない範囲で体を動かすほうが、回復が早いとも言われているそうです。

 

ところが2~3日ほど姿勢に注意しながら生活しているのですが治りません。それどころか痛みが増し、太ももの裏などに痺れの症状も現れました。そうです。

 

ヘルニアです・・・

筆者は令和5年の3月から4月にもヘルニアに由来する腰痛に悩まされました。このときは自分に合う薬を処方してもらい、早期に回復することができました。

 

今回も早期に回復させるべく整形外科を受診しました。診断結果は、筆者の予想とおりヘルニアでした。薬を処方してもらい、運動療法と呼ばれるリハビリを行うことになりました。

 

リハビリを担当してくださる先生は、高校サッカーチームに帯同するトレーナーもされている方でした。そこで筆者は、かねてより疑問に思っていたことを尋ねてみることにしました。

 

その疑問は、「静的ストレッチの血流促進効果は、筋肉を伸長することにより血管が圧迫されることにより起こるのか、それとも筋肉の伸長が終わったあとの弛緩により血管を圧迫する筋肉が緩み血管が拡がることにより起こるのか」です。

 

プロ野球をご覧になっている方は見たことがあると思いますが、登板を終えた投手が、肩を冷やしています。筆者はこのアイシングの効果が気になり調べたことがあります。調べた結果、2つの言説を見つけました。

 

1つは、投球によって発生した肩の炎症を抑えること。

 

もう1つは、肩の筋肉を冷やすことにより筋肉が収縮し、血管が圧迫されて血流が促進されること。

 

この2つは決して相反する効果ではないので、この2つの効果を狙ってアイシングを行っていると筆者は解釈していました。

 

しかし、所謂「凝り」は、筋肉が固くなってしまい血管が圧迫されることにより血流が停滞して起こると言われています。2つ目の言説と矛盾すると思いませんか?

 

筆者は気になりながらも、「トップアスリートがやっているのだから、疲労回復効果は間違いないだろう」と考えながら、運動後の静的ストレッチを継続していました。

 

今回、高校サッカーチームのトレーナーをされている方が、筆者のリハビリを担当してくださるとのことで、この矛盾を尋ねてみることにしました。

 

リハビリ担当の先生からいただいた回答は、「収縮した筋肉には血流促進効果はなく、むしろ血流を停滞させる。静的ストレッチは、一度筋肉が伸長することでその後の弛緩効果が大きくなり、血管が拡張されることにより疲労回復を進めるものである」とのことでした。

 

この回答から導き出せる答えは、運動後の疲労回復に、アイシングは逆効果ということが分かりました。ただし、炎症を抑える効果があるので、高負荷により炎症が発生している場合にはまず炎症を抑えることが先決ということです。

 

しばらくヘルニアのリハビリに医療費がかかってしまいますが、この答えを得られたことにより、ヘルニアの回復と疑問の解消というリターンを得ることができました。どうせお金はかかってしまうのです。せっかくなので、払ったお金以上の学びを得たいものです。