夕食
本日の島内観光を終えホテルに帰着。



 

↑ 八丈島産の文字が多いお品書き ↓

 

 

地産地消とは
地域生産・地域消の略語で、地域で生産された様々な生産物や資源(主に農産物や水産物)をその地域で消費することである。



 

経緯
食生活改善運動と農産物の生産種類の多様化
地産地消という言葉は、農林水産省生活改善課(当時)が1981年(昭和56年)から4ヶ年計画で実施した「地域内食生活向上対策事業」から生じた。


 

なお、篠原孝(農水官僚、2003年の第43回衆議院議員総選挙にて当選を果たし、政治家に転身した)は「1987年に自分が造語した」と、新聞・雑誌等で主張している。

 

しかし、すでに1984年(昭和59年)に雑誌「食の科学」で秋田県職員が地産地消を使用している。

 

八丈島産のお酒

江戸時代、八丈島では度重なる飢餓対策の為、貴重な穀類を使用する酒づくりが禁じられていました。

 

そこへ薩摩より流人として八丈島に流されてきた丹宗庄右衛門(たんそう しょうえもん)が、自身の地元、九州でつくられているさつま芋を使用した焼酎の製造方法を伝えたことが、八丈島の島酒の原点となっています。

 


またほぼ同時期の、当該事業と生活改善活動について紹介した農水省の公報誌にも地産地消の語句が掲載されている。



 

↑ 冷酒 真野鶴(280ml) ↓

 

 

これらの事実により、このころまでにはすでに、全国各地の農業関係者の間に広まっていた言葉であることが判明した。


 

当時、農村の食事は伝統的な米とみそ汁と漬物のパターンであったため、塩分の取り過ぎによる高血圧などの症状が多く見られた。



 

戦後、日本人の死亡原因第1位の感染症(結核など)が克服され、当時の死亡原因第1位となった脳卒中を減らすためには、原因の1つとみられる高血圧の改善が必要となった。


 

↑ 前菜 八丈産地蛸 ↓

 

また、伝統食の欠点(塩分の取り過ぎの他、脂肪・カルシウム・タンパク質の不足など)を改善することも国民の健康増進のためには必要と考えられた。




↑ 手作りローフトビーフ 小海老寿司 ↓

 

不足しがちな栄養素を含む農産物の計画的生産と自給拡大の事業が実施され、同時に生活改良普及員らによって周知事業も行われた。


 

↑ 八丈字地卵のベーコンと酒盗のキャッシュ 八丈鮮魚の南蛮漬け ↓

 

このような活動の中、特に農村においては他地域から不足栄養素を多く含む農産物を買い求めるとエンゲル係数の増大を招いてしまうため、地元でそのような農産物を作ろうということで「地産地消」という語が発生した。



 

当時は1ドル240円程度であり、農産物輸入をしようとしても高額になってしまい、不足栄養素を補うという目的を果たせなかったため、安価な国内生産を選択している。

 

 

↑ 新鮮野菜の浅漬け 八丈ジャージーチーズのピンチョス ↓

 

雑誌「食の科学」1984年2月号には、秋田県河辺町(現在は秋田市の一部)がこの事業に取り組んで緑黄色野菜や西洋野菜の生産量を増やす運動を実施し、「地産地消による食生活の向上」を標榜していたことが明記されている。

 

 

このように、当時の地産地消は、伝統的な食生活による栄養素・ミネラルバランスの偏りの是正によって健康的な生活を送るため(医療費削減圧力、余剰米を解消する減反政策の一環として、他品目農産物の生産を促すため(食糧管理制度の維持)、気候変動に弱い稲作モノカルチャーから栽培農産物の種類の多様化によってリスクヘッジをするため(農家の収入安定)など、多様な経済的インセンティブによって推進された。