関東平野最東端に位置する千葉県銚子市の太平洋に突出する岬。


 

↑ 朝食後、小休止して五ホテルを後にする ↓

 

水郷筑波国定公園に含まれる景勝地。岬には犬吠埼灯台が屹立する。岬一帯の町名にも犬吠埼が使用されている。

 

日本三大河川の一つである利根川(一級河川)の河口付近にあり、付近一帯は水郷筑波国定公園に含まれる銚子半島の景勝地である。

 

 

犬吠埼の「磯めぐり」は江戸時代には行われていた。風光明媚な海岸線には数々の文人、墨客が訪れ、文豪の地として親しまれ、海岸線沿いは歌碑や詩碑も多い。


日本一早い初日の出スポットとして有名である。岬周辺の白亜紀の地層は国の天然記念物に指定され、日本の地質百選にも選定されている。

 

沿岸には遊歩道が設けられており、北側には古くから「関東舞子」と呼び親しまれ、日本の渚百選にも選ばれた君ヶ浜(君ヶ浜しおさい公園)があり、国土地理院では君ヶ浜(東経140度52分21秒)を関東および千葉県の最東端としている。

 

海の難所として知られ、幕末には榎本武揚の率いる幕府の軍艦美加保丸が、付近の黒生()(くろはえ)の岩礁に乗り上げて乗組員13名が亡くなった。



 

↑ 酒の駅 ↓

 


犬吠埼の岬には犬吠埼灯台が太平洋に向かって立つ。日本を代表する灯台の一つで、「世界灯台100選」「日本の灯台50選」にも選ばれている。

歴史的文化財的価値が高く、国の登録有形文化財に登録され、海上保安庁により「Aランク保存灯台」ともなっている。


 

↑ 銚子市消防分団 犬吠埼へ ↓

 


2020年度には国の重要文化財に指定された。
灯台の出入口横に灯台の色に合わせた白く塗られた郵便ポスト・丸型1号ポスト(郵便差出箱1号)が設置されている。

名称
地名の由来
犬吠埼という地名には諸説があるが、周辺には源義経の伝説が多く残り、地名も義経の愛犬「若丸」が岬に置き去りにされ、主人を慕う余り、7日7晩鳴き続けたことから名付けられたという説がある。


 

↑ 犬吠埼灯台 ↓

 

 

その愛犬はついに岩となったという伝承があるのが外川地区の「犬岩」である。
他にはかつて一帯にはアシカ(ニホンアシカ)が繁殖しており(近隣には海鹿島があり、明治時代には200 - 300頭のアシカが生息していたと伝えられる)。


 

その鳴き声が犬に似ていたことから、犬吠埼と名付けられたという説もある。他に、アイヌ語のエンボウ(突出した岬)が変化したものとの説もある。


 


日本では一般的に岬等の地名の「さき」には「崎」、灯台の名前には「埼」が使われることが多いが、犬吠埼では全国的にも珍しく地名も灯台名も「埼」が使用されている。



石切鼻
付近の地質は中生代の砂岩で、砥石を切り出していたこともあり、犬吠埼は石切鼻とも呼ばれている。


 

自然
白亜紀浅海堆積物(国の天然記念物)
太平洋に突出した銚子半島には、中生代(白亜紀)から現代までの様々な地層が姿を見せている。海岸の植物や磯の動植物なども種類は豊かで、分布上も注目されるものが多い。


 

↑ 君ケ浜しおさい公園 ↓

 

 

海洋動物
ウミウ、ウミネコなどの海鳥類が多く渡来する。

かつて一帯にはニホンアシカが繁殖しており、明治時代には200 - 300頭のアシカが生息していたと伝えられる。

↑ 君ケ浜しおさい公園休憩所 ↓

 

 

崖地植物
自生する崖地植物(岬先端)
犬吠埼や海鹿島、犬若など古い地層の崖地や岩場では、スカシユリ(ユリ科)やハマヒルガオ(ヒルガオ科)など海岸沿いにしか生息しない特有な崖地植物が集っている日本有数の海岸である。


 

絶滅危惧Ⅱ類(VU) であるハマサワヒヨドリなど非常に希少価値の高い植物も生息する。
犬吠埼灯台下遊歩道、犬吠埼園地周辺に多く生息する。

犬吠埼灯台下遊歩道には崖地植物についての生態展示(名札板設置)がされている。


 

白亜紀浅海堆積物
銚子半島の東海岸の黒生から長崎鼻にかけて、1億3000万年前から1億年前の恐竜時代の地層を見ることができる。

犬吠埼は1億2000万年前の地層であり、海底痕跡を数多くみることができる学術的に貴重な地層となっている。



そのため「犬吠埼の白亜紀浅海堆積物」として2002年に国の天然記念物に指定された。
また2007年には「日本の地質百選」にも選定されている。一部は遊歩道上から間近に観察することが可能。砂岩泥岩互層の地層が見られる。


 

うねり
海に「波」が起きるのは、複数のことが要因とされていますが、そのなかでも有力な要因は、「風」と「海水の動き」だと考えられています。


 

そもそも波には「風浪」と「うねり」の2種類があります。
「うねり」は聞き慣れた言葉かもしれませんが、「風浪」というのは一般的にはちょっと聞きなれない言葉かと思います。


 

ある場所で風浪が発生し、段々とそのポイントから波自体が離れていくとほかの波と一緒になっていきます。こうして波と波同士が混ざり合い、また違う波として海面を移動することを「うねり」といいます。


 

風浪が、発生した場所から近距離のみであることに対して、うねりは数百キロ離れた海域まで伝播されていきます。

普段、私たちが海で見ている波というのは、この風浪とうねりが合わさったものとなりますが、その区別を明確に付けることは非常に難しいとされています。