雛人形を階段状に飾る「段飾り」

一般的には、日本で縁起が良いとされる奇数の一段・三段・五段・七段のものが多く作られており、それぞれお人形の並べ方にも決まりがあります。

特に段数の多い段飾りだと、桃の節句のたびに「どう飾るんだっけ」と忘れてしまいがちです。



雛人形の置く場所や段飾りの意味をはじめ、一番段数の多い七段飾りの飾り方をご紹介します。参考になりましたら、ぜひ毎年見返してみてくださいね。

 

段飾りは平安時代の貴族の婚礼儀式を表したもの。


飾った後、お子さまからの質問にも答えられるように、段飾りの意味も知っておくのがおすすめです。


 

そのため最上段には新郎新婦にあたる男雛・女雛が飾られ、下段になるにつれて護衛や官女などが続く構成となっています。

 

五人囃子は、婚礼のおめでたい席を盛り上げるための音楽隊として参加しているのです。

男雛・女雛の並び方には地方によって違いがあり、向かって左側が男雛・右側が女雛の場合は関東風、この逆が関西風と言われています。


 

↑ 飾り方も色々 ↓

日本では古来から「左の方が位が高い」という習わしがあり、お人形目線だと男雛が左側になる関西風は、このしきたりにならっています。

一方、その逆となる関東風は「男女が並ぶ時は男性が右側」という西洋の風習にならっているものです。

関東風は近代的、関西風は古典的という違いがあるだけでいずれも正しい並べ方なので、家族・親戚の並べ方や地域の並べ方に習って、しっくりくる方を選ぶとよいでしょう。

 

雛人形を購入する時はついお人形に目がいきがちですが、華やかな雛祭りを演出したいなら、付属品(雛道具)にも注目してみましょう。

セット商品を購入すると屏風や雪洞、花飾りなどお馴染みの付属品が付いてきますが、その柄や色合い、込められた意味に注目することで 、お子様の大事な雛祭りがよりいっそう思い入れ 深いものになります。

 

 

御駕籠(おかご)
大名や貴族の女性を運ぶために使われた乗り物です。座る「かご」の部分を棒で吊るし、その棒を2人以上で担いで人を運びました。嫁ぎ先へ担ぎ入れるための「お輿(こし)入れ道具」ともいわれています。

 

雛道具(付属品)

雛人形の主な付属品の名前や役割、意味などについてご紹介します。

雛飾りの主役は雛人形ですが、雛人形を彩るさまざまな付属品(雛道具)を一緒に飾ることで、より華やかに雛祭りをお祝いすることができます。



牛車(ぎっしゃ)
牛に引かせる乗り物で、御所車(ごしょぐるま)や源氏車とも呼ばれています。貴族が乗るためのもので、富や華やかさの象徴とされています。
牛に引かせる乗り物で、御所車(ごしょぐるま)や源氏車とも呼ばれています。貴族が乗るためのもので、富や華やかさの象徴とされています。


 

長持(ながもち)
外出時にも使われる衣服・寝具用の収納箱です。形は長方形で、寝具の大型化に合わせて人が入れるほどの大きさがあります。外出時に2人以上で担げるよう、箱の両側には吊り金具がついています。こちらも嫁入り道具ですが、明治・大正時代以降はだんだんと箪笥にその役割を譲っていきました。

 

 

鏡針揃(きょうはりぞろい)
現代の裁縫箱のように報歳道具一式が入っている「針箱」と、現代の化粧台のように鏡と台が一体化している「鏡台」の、2点セットのことを指します。 

 

 

もともと雛飾りは、貴族の結婚式を模して 作られたものです。そのため、付属品(雛道具)の多くは、そのお祝いの席にあった飾りや料理、嫁入り道具などを表しています。

 

見た目が華やかになるのはもちろん、それぞれに意味や役割があるので、付属品(雛道具)の事も良く知っておくと購入の際に参考になるでしょう。

これより先で主な付属品(雛道具)についてご紹介しますので、これから雛人形を一式揃えようとお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

嫁入り道具
箪笥(たんす)

衣服をしまう家具です。豊かさを象徴する嫁入り道具として古くから親しまれており、当時は服に関する小道具がしまわれていることもありました。現代ではクローゼットが普及しているためあまり見なくなりましたが、代表的な嫁入り道具のひとつです。

 

 

台子(だいす)
茶道具一式を乗せておく移動式の棚です。正式な茶の湯に古くから用いられています。嫁入り道具の一つです。

 

 

屏風(びょうぶ)
男雛と女雛の後ろに飾られる調度品で、金色のものだけでなく木や漆器で作られているものもあります。「中を6つに間仕切る」→「仲むつまじく」という語呂合わせから、6つ折りになっているものが多いのも特徴です。美しい模様や風景が描かれているものも多く、華やかさを演出してくれます。
 

 

玉台(たまだい )
玉台は男雛と女雛が座る台で、一般的には畳が乗っています。最近では雛人形のバリエーションに合わせ、朱色や白、ピンク色のものや、ナチュラルなセット商品に合う木製のものなど、さまざまな玉台が出てきています。

 

 

雪洞(ぼんぼり)
木や竹の枠に和紙を張り、火をともす部分をおおった小型の照明道具です。一部分のみ開けてあとは火の周りをおおうことで、火持ちをよくする効果がありました。現在では、火の部分が電球になっており、明かりがともせるタイプのものもあります。