右足首付近に
昨年8月、妻の右足に薄紫色の斑点が見受けられました。

 


 

10月中旬、西表島から石垣島を旅行中に違和感を訴え、見ると化膿していました。取り合えず、ホテルのフロントで消毒をしい頂き、帰宅後皮膚科を受診。



 

暫く通院しましたが好転せず、紹介状を持って都立墨東病院の皮膚科を受診。
腫瘍の一部を切除し検査をすることになり、その前にCT(コンピュータ断層撮影法)を撮ることになりました。


 

腫瘍とは
組織、細胞が生体内の制御に従わず自律的に過剰に増殖することによってできる組織の塊(かたまり)のことです。


 

↑ 墨東病院駐車場 受付が診察棟から入院棟に変わりました ↓

 

 

少し詳しく
 「細胞が異常に増えてかたまりになったものです。ある場所にとどまって大きくなるだけの良性の腫瘍と,治療が必要な悪性の腫瘍があります。



↑ 手指消毒と 体温測定 ↓


 

時間をかけてじっくりと
「細胞が異常に増えてかたまりになったものです。悪性のものは,周囲を壊しながら広がったり(浸潤 →6),離れたところに飛び移ったり(転移 →6.浸潤)します。

悪性の場合は治療が必要なので,まずは詳しく検査しましょう。良性ならその場所にとどまっているだけなので,放っておいても大丈夫です」

 

↑ 自動受付機 皮膚科へ ↓


 

こんな誤解がある
「腫瘍(しゅよう)」という言葉の受け止め方は,患者によって異なり,次のような過度な不安につながる誤解と,過度な楽観につながる誤解とがある。


 

↑ 皮膚科診察窓口 ↓

 

 

腫瘍はがんと同じものである(22.6%)。
良性の腫瘍であっても,やがてはがんになる(20.5%)。
良性腫瘍は絶対にがんにはならない(23.6%)。
患者の反応を見ながら,不安や楽観を解いていく工夫が必要である。


 

↑ 診察順番待ち ↓

 

 

言葉遣いのポイント
「腫瘍(しゅよう)」という言葉はよく知られている(認知率99.1%)が,言葉を知っている人のすべてが,その意味を正しく理解しているわけではない(理解率76.0%)。


 

↑ 待合所 問診表へ記入 ↓

 

 

また,漢字の「腫」も「瘍」も,義務教育では学ばないので,なじみがなく,意味の類推がききにくい。漢字を書き,「腫」は「はれる」,「瘍」は「できもの」のことで,「腫瘍」は「はれたできもの」を意味することを伝えたい。


 

↑ 診察の結果CTを撮ることに ↓

 

 

患者の不安の軽減を
良性か悪性かを見分けるために検査が必要なことを述べるときには,良性の場合は転移などの心配が要らないことを,あらかじめ伝えておくのが望ましい。



↑ CT造影剤注入針を付け受付へ移動  ↓


 

検査を受ける前から必要以上に不安に陥らないよう,[時間をかけてじっくりと]などの表現を用いて,安心して検査を受けられるよう配慮したい。

検査の結果が良性であった場合,良性であることを伝えるだけでなく,腫瘍(しゅよう)が周囲を壊しながら広がったり(浸潤),離れたところに飛び移ったり(転移)する心配はないことを,明確に伝えるのが望ましい。

検査結果が出るまで不安だった患者の気持ちを思いやり,よい検査結果をともに喜びたい。
検査の結果が悪性であった場合は,その伝え方にはより一層配慮が必要になる。


 

ここに注意
「がん」の告知において,「がん」と言わずに「腫瘍(しゅよう)」などの言葉で遠回しに話を始めた場合,患者は「では何という病気なんですか? がんではないのですか?」のように,質問を返してくる場合がある。


 

そのときにはどのように答えるかをあらかじめ想定しておく必要がある。このように質問された時点で,いったん「がん」と認めて,次の説明に移った方がよい患者と,あくまであいまいさを残して,次のステップに入る方が良い患者とがいる。

脳にできる腫瘍(脳腫瘍)などの場合,良性であっても手術が必要なこともある。この場合は,説明の仕方を変える工夫が必要である。