エレベーター
人や荷物を載せた箱を垂直または斜め・水平に移動させる昇降機である。
日本では、人が乗れない小荷物専用のものはリフトと呼ぶことが多い。英語では英米ともリフトを dumbwaiter(ダムウェーター) と呼ぶ。

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建築基準法でもかつてはそう記載されたが、small freight elevator(小荷物専用昇降機)に変更されている。

エレベーターはすでに紀元前から存在し、アルキメデスがロープと滑車で操作するものを開発していた。

ローマ時代に入ると、ローマ皇帝ネロは、宮殿内に設置した人力エレベーターを使用していたほか、コロッセオには闘技場のあるフロアまで運ぶ人力エレベーターが用意され、剣闘選手や動物の入場に使用されていた。

中世ヨーロッパでも、滑車を用いた巻上機があり、一部で利用されていた。17世紀に入ると、釣り合いおもり(カウンターウェイト)を用いたものが発明された。
19世紀初頭には、水圧を利用したエレベーターがヨーロッパに登場し、工場などで実際に使用された。

また1835年に蒸気機関を動力として利用したものが現れた。動力式エレベータは最初にイングランドで導入され、1840年代にはアメリカの工場やホテルでも導入が広がった。

ただし、水力や蒸気機関を用いたエレベーターは、非常に速度が遅く、安全性の問題があった。

これに解決の糸口を与えたのは、アメリカのエリシャ・オーチス (Elisha Graves Otis、1811-1861) である。彼は、1853年のニューヨーク万国博覧会にて、逆転止め歯形による落下防止装置(調速機、ガバナマシン)を取り付けた蒸気エレベーターを発表した。

オーチスは、来場客の面前で、吊り上げたエレベーターの綱を切ってみせ、その安全性をアピールした。このエレベータはニューヨーク水晶宮 (en) に設置されていた。
水力式や蒸気機関式は、冬季に水が凍結すると運行に支障が出た。1889年に電動機式のエレベーターの開発以降、電気の供給安定とともにエレベーターの動力源として電動式が主流となった。

電動式エレベーターは制御機構の高度化と建物内の高速な垂直方向の流通アクセス性の向上により、超高層建築物の建設に追い風をもたらした。

1880年代以降はアメリカ合衆国のシカゴとニューヨークで高層ビルの建築競争が始まる。

特に1920年代にはニューヨーク市マンハッタン地区ではクライスラー・ビルディングが高層ビルとして初めてエッフェル塔の高さを上回るほどとなり、世界一のビルの高さを競う新築超高層ビルの建設ラッシュが起き、超高層ビル建設の動きはのちに世界的に広がった。

1890年11月10日、東京浅草の凌雲閣に、藤岡市助が設計した日本初の直流電動機式のエレベーターが設置された。

エレベーターは地階に据え付けた7.5馬力のモーター1基に対し、M字状にロープで連結したかご2機を同時に運転し、1階か8階だけに止る独自の構造をしていた。故障が多く、のちに撤去された。

1896年、オーチス・エレベータ社のエレベータが日本銀行に取付けられた。

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↑ 東京国際空港国内線ターミナルビルに入居するテナント ↓

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