今回寄稿していただいた宮田珠己さんの幻のエッセイから一部を紹介したいと思う。

 エッセイは前編・後編の2部で構成されていて、後編は臼杵市内で宮田さんが見つけた素敵な情景を選りすぐり、ベストテン形式で発表するというものである。

(以下、本編より抜粋)

 

 第2位は、中津浦天満宮の亀の供養塔だ。
 地蔵公園にさまざまな魚介類の供養塔があることは先に書いたが、中津浦天満宮には亀の供養塔がある。ウミガメを供養していると思われるが、墓石を背負う亀の姿がかわいい。ただ古谷さんは、「この亀、ヒレでなく足がついちょるんよ。これじゃあ、ゾウガメじゃ」と指摘。さらによく見ると石に刻まれた文字が「亀の暮」となっているのだった。墓じゃなくて暮。そこ一番間違っちゃいけないところでは?
 実はすでに撤去された説明看板には「亀の碁」と書かれていたというから、どこまでも間違っていて面白い。
「臼杵の人は細かいこと気にせんのよ。完璧なものを作ると魔が入るけん、ちょっと間違えちょるほうがええ、ちゅう人もおってな」古谷さんが笑いながらフォローする。ただその説明看板には七か所も間違いがあったというから、間違えすぎという気もする。

 

 

古谷さんの軽やかな語りに翻弄されながら撮影

 

臼杵市の中津浦蛭子神社に鎮座する亀の供養塔

 

 これぞ、宝さがし。だと感じた…

 

 

 

 

 でわ!