今週は臼杵市内の宝を存分に観てまわった。見どころが多すぎて何から紹介して良いのか迷ってしまうが、まずは邪鬼を取り上げてみたい。

 

 まずは、有名どころから。

 

「龍原寺三重塔を支える4匹の邪鬼」

うち、2匹は可哀そうなことに腕がもげてしまっている。

 以前、こちらのご住職・星康一さんに邪鬼の話しを伺う機会があって、腕はお寺で大事に保管されているそうだが、文化財指定を受けているので勝手に修復が出来ないと仰っていた。

 直してあげたい気もするが、腕がなくなってから俄かに注目を集めだし寄付も増えたので、そのままにしているとのことらしい。

 

(追伸/2022年12月5日)

三重塔の工事の保存・修理の方向性を策定する「三重塔保存修理委員会」のメンバーである香川大学の宮本慎宏先生と先生の研究室の調査によると、新たに雨漏りする箇所が見つかったという。老築化する三重塔の再建に残された時間は思いのほか少なく、三重塔のある風景を何とか次の世代に遺したいと切に願うばかりである。

 

屋根を支える姿が愛おしい龍原寺の邪鬼

 

 龍原寺の向かい側にある大橋寺にも邪鬼がいる。こちらは像だけが残されており、お寺の何処に飾られていたのか?いつ頃の作品なのか?全く分かっていないらしい。

 背中の造形を見ると、右肘から両肩にかけて水平に削られているので、こちらも何かを背負っていたようだ。或いは四股を踏んでいるのかな?

 

この邪鬼は一番奥の部屋でいつでも見ることができる

 

 そして、3つ目は地元の人にも殆ど知られていない神社の邪鬼。野津町都原にある竹原神社、本殿左右の壁面にそれぞれ見ることができる。神社巡りをしていて、偶然発見した。

 こちらは何かを背負っているというよりも、しがみついてるだけのようにも思えるが。

 

 それでも四天王に踏まれ続けている邪鬼と比べると、邪鬼は邪鬼なりにどこか社会貢献とまで言わなくても、何らかの役目を担っているようで微笑ましい。

 

竹原神社の邪鬼

 

 このように邪鬼が何か背負っている姿というのを他所で見た記憶がない。どのような意味があるのか?他にもまだ見ぬ邪鬼が存在するのかまったく分からないが、今後も注意深く見ていこうと思う。

 

 

 

 

 でわ!