熊野古道 伊勢路

旅データ;

◆場所:熊野古道 伊勢路
◆いつ:2006年10月8日~9日
◆人数:2人
◆交通手段:電車&バス


これはVOL3です。よろしけばVOL1からお読み下さい



◆鬼が城





アーケードを抜けると突然、海が目の前に広がる。しかも聳え立つ岩
と深い青色の海。日本の海だ!まさに自然の造形美といえるなんとも
いえない形状をした岩が遠くに見える。目指すはあそこだ。




かなりワクワクして自然と歩くスピードがあがる。お目当ての岩の下に
来た時はその迫力に口があいたままになる。



更に奥へ進むと自然の神殿と呼べる広大なスペースがひろがる。
上を向けばマントを広げたような岩の天井。
思わず座り込んで上を見続けた。空とのコントラストはアメリカの
インディアンをたずねた時のことを思い出した。全体的な雰囲気は
トルコのカッパドキアを思い出す。



鬼が城と聞いた時は単なる観光スポットでそれらしき岩が
1つあるだけかと思っていたが大間違い。これは世界に発信すべき
偉大なスポットだ。

ここからかっこよすぎる岩と海のハーモニーが続くのだがそれはもう
写真でご覧ください。言葉がありません。




でも写真では全く伝えることのできないひろがり、潮の香りと波の音、
太陽の光、それを反射する海面、時々飛んでくる鷲、細すぎる岩の道、
右手の聳え立つ岩、打ち付ける激しい波、何もかもを五感で体感して
はじめて得られる感動ってあります。それは是非この現地へきて
実際に味わってほしい。ところどころにある「ここは通常でも波が高くなり
危険です」といったような内容の看板がスリル感を高める。


途中、どこまで続くねん・・・とちょっと不安になり下の方で釣りをしている
おじさんに「これって浜街道まで抜けます?」とものすごい大声で
聞くと「大丈夫」との回答。安心してまた岩道を進む。しかし、本当に
こここそ誰一人として歩いていない・・・。

ところどころ、別に名所ではないが勝手に「鷹にみえる」岩とか見つけたり
しながらガシガシ進んでいくとようやく道が見えてきた。


もうこの辺りでおなかがすいていたのでおいしい魚でも食べたい
ということになったが、丁度この鬼が城の終着点の店は微妙な上、
高かったので却下。次の目的地である花の窟方面へ向けて我らは
歩き出した。


左手には美しい海があるが、歩いても歩いても店がない。おなかも
かなりすいて強い日差しにちょっとやられかけた頃、
同行人がふとおしゃれなこじんまりしたお店に目を留めた。
中へ入るとおしゃれな女性が自分の好きなものを集めたという
センスのいい食器やちょっとした小物等を中心とした雑貨店
?と呼んでいいのだろうか?だった。京都にありそうな素敵な
お店。商品に目をやりながらも早速この辺りに美味しいお店は
ないかと調査に入る。

迷わず行けよ、行けばわかるさ
ならぬ
迷わず聞けよ、聞けばわかるさ

ってのが我らの信条だ。

早速そのおしゃれな店主は親身になって色々と考えてくださり、
地図まで書いてくださった。「正直あまりいい店がない」という
フレーズに端を発し、熊野市のあれやこれやを色々と教えて
下さった。実は彼女、熊野市の実行委員会をされているようだ。
今後、どのようにしていくべきか、今どのような取り組みをされているか、
どれもこれも興味深い。私は一瞬、取材をしている気分になった

貴重なお話も色々教えてくださった。泊まるならこの宿が
いい、1日前に予約要の素敵なレストランがある等々。
知りたい方はご一報下さい。
レストラン くまのときめき倶楽部については

http://konohana219.jugem.jp/ に記載があります。
これらは地元の方に聞かねば絶対にわからない情報。
本当に貴重な情報を頂きましたので(ここには記載しません)
行かれる方は是非参考になさってください。

途中、コーヒーまで出していただき、かれこれ1時間以上喋って
いただろうか。こういった地元の方とのふれあいが旅の一番の
醍醐味だ。

私たちも非常に熊野ファンになっていたのでこうやってアピール
してほしいだの、こういうものがあれば女性がくるだの
余計なお世話的発言を多々していたと思う。

心温まるおもてなしにいつまでもいてしまいそうだったが、
次の予定がせまっていたのでなくなくそこを後にする。
今度来た時はうちに泊まって頂戴とうれしい言葉もいただいて
後ろ髪ひかれながらそのお店を後にする。

帰宅後、メールのやり取りの中で素敵な熊野を素敵な
女主人がアピールしていかれたら素敵だなと思いブログを
まずはかかれることをご提案したら、さすがの行動力でその日の
うちに始められた。写真も内容も素敵なので是非訪問して
いただきたい!

http://konohana219.jugem.jp/  

教えてもらったお店からひとつをチョイスし、復活した足を
高速回転させて向かう。





おすすめ頂いたうどんの店にしようと思ったのだが、
それとは別の讃岐うどんの店にしてしまった。
ここの主人がまたいい人でちょっとおしゃべりしていたのだが
もともと四国出身でここ熊野が気に入ってしまって住み着いた
らしい。だから讃岐なのか。
この店、机やイスがかっこいい。麺はいかにも手打ちと
いったこしがあるがつゆに深さがないのが残念だ。
しかし、まどから見える海も主人も素敵で居心地はよい。




ここも時間がないのでさっと食べて旅立つ。ようやく目的地
花の窟へ向かうことに。どうせならと海側を歩く。石だけが敷き詰められた





海は本当に珍しい。そして非常に綺麗だ。秋口の太陽がいい具合に
海をキラキラさせる。うーむ、それにしても日差しは真夏のようだ。
海を見ながら歩くとすぐ右に入り口らしきものが。



http://www.kumanokaido.com/hana/

HPより==
ここは七里御浜に突出する高さ約70mの巨巌を神体とする巨巌の根元に
方5mほどの祭壇を設けて白石を敷き玉垣をめぐらして拝所とする。
神殿はなく巨巌を崇敬する 太古の風習を残している。「日本書紀」神代上の一書に
「伊弉冊尊、火神を生む時に灼かれて神退去りましぬ。故、紀伊国の熊野の有馬村に葬りまつる。
土俗、此の神の魂を祭るには花の時には亦花を以て祭る又鼓笛幟旗を用いて歌ひ舞ひて祭る」と記され、
伊弉冊尊を祀る。


そこへ入っていくとまた独特の雰囲気。
まずは手を清めて赤い社をくぐる。
とりあえず出てきた神社に手を
あわせ、メインへ
=====

さすがに威厳のある場所でした。沖縄のせーふぁうたきをここは
思い出した。何か感じる場所ってやっぱりありますね。
日本を作った神が祭られているかと思うと感慨深い。
もう一回神話を読もうと思った。



http://www.pref.mie.jp/BUNKA/plan/minwa/kishu/kumano/index.html

奥に御茶屋らしきものが見えたのでそちらへ向かう。
恰幅のいいおじさんが冷たいお茶でも飲んでいき!と声をかけてくれたので
お茶をいただくことにした。おじさんは机の上にあった橘の実について説明を
しながら界隈で有名な秋刀魚寿司やみかんなど食べていいよと全て無料で
くれる。これが全部おいしくて同行人は寿司を買っていた。ここのおすしは
安くておいしいのでお勧め。それらを食べながらおじさんは神様について
話してくれた。この人はボランティアガイドの一人でそういう分野に非常に詳しい人らしい。




そういった話に個人的に興味があったので非常に楽しく聞くことができた。
この土地には土の神、水の神、火の神、木の神・・・・あと5人くらい神が
いました・・・。覚えれない。

世界は火が非常に貴重な国、水が非常に貴重な場所、太陽がほとんど
出ない場所、木がない場所・・・と何かが欠けている場所がほとんどだ。
しかし、ここ熊野は(日本は)全ての神が揃っているので全てに満たされている。
特に熊野は全てがうまく調和しており、皆がガツガツしないので穏やか
で非常によいとおっしゃっていた。(もっといいことを聞いたはずなのだが・・)
確かに四季があり、綺麗な水が飲めて、何不自由ない日本は本当に
黄金の国かもしれない。おじさんも言っていたが、地球の中では
一等地だと。ますます自国を愛した瞬間でした。

あとここにはだるまらしきものにおみくじの入った非常にかわいい
置物??が売っている。たったの300円。
思わず2人で購入。


もっとゆっくり色々な話も聞きたかったがいよいよ帰宅の時間が迫っていた


のでお礼を言って残る獅子岩へ向かうことにした。
先ほど食べたみかんがあまりにも美味しかったので道路わきに
あるみかんやさんでみかんを買った。ものすごくまけてくれたうえ、
味見用とか言ってさらに何個か追加してくれた。
本当についている!!



獅子岩は駅方向へ歩いていると右手に見えている。もう時間も迫っていたので
道路沿いから写真をとって通りすぎた。本当に獅子に見える。
それにしても熊野の岩はかっこいい。


あまりに早足で歩いたので予定よりかなり早く駅へ到着。またも
ワンマン列車で時間をかけて帰るのだ。15時台の列車にのれば松阪
18時台の列車に乗り継げる。
この区間、絶対してはいけませんがキセルが出来てしまいます。
私たちは歳も歳なので真面目に2200円だったかな?を払いましたが
140円で松阪までいけてしまいます・・・。

まだ明るいうちは緑溢れる車窓からの景色が楽しめます。
うとうとしながら時たまさんま寿司やパンなどつまんで田舎電車を
楽しんでいた。


途中、ちょっと列車が遅れているようなアナウンスが・・。我らは
乗り継ぎに時間があまりない。同行人は運転手に早く走ってくれと
お願いしにいってくれた。心なしか電車は速く走り、松阪には
時間通り到着した。

いよいよ大阪へ向けて帰宅だ。

私は来た時と同じ上本町で乗り換える。大量のみかんを透明の袋に
入れて都会を歩いている私はビジュアル的に大丈夫だろうか?
などという考えはすぐ眠気に打ち消された。

◆帰宅
足を使いまくったときのお風呂は気持ちいい。
早速同居人とみかんを食べた。あの緑も海もまるで遠い昔のように
感じられた。みかんのおいしさだけは熊野で味わったままだった。

◆総括
本当に鬼が城はここは日本?
と思うほどかっこいい海と自然が造った岩の彫刻に圧倒されましたし、
山も海も楽しめて南国ムード漂う熊野はまた行きたいと思わせる魅力
がありました。また街自体も心地よい風とゆるい空気がいい癒しになりました。
市民がこよなく地元を愛していて、我ら旅人にも暖かい御もてなしをしてくれます。
熊野はかつての「神の国JAPAN」を感じさせてくれるちょっと
神聖な場所で京都や東京もいいのですが、日本の「心」を感じてもらえる
熊野のようなスポットにもっと外国人に来てもらえるような宣伝・政策はできない
ものかと本当に松本峠を歩きながら同行人とそればかり話していた。
「粋な」日本を海外にアピールしたい!と。

もっともっとこの素敵な場所を多くの人に知ってもらいたいと思う一方で
ありがちな観光地になってほしくないという思いもある。

でもやはり我ら女性はおいしいご飯と温泉が行き先の決め手になったり
するのでそれらの開拓は有効かもしれない。

かなり満足度の高い旅、皆におすすめしたい行程であった