京都市中京区の「壬生寺」を訪ねて
今、京都では「京の冬の旅」で非公開文化財特別公開されています。前回のブログでは「妙心寺大雄院の襖絵」と「壬生寺の狂言堂」について書きましたが、今回は壬生寺・本堂の紹介です。また旅行サイト「たびねす」の記事でも紹介しています。
壬生寺と言えば…幕末に活躍した新選組ゆかりの地としてだけでなく、京都で最初に国の重要無形民俗文化財に指定された壬生狂言で知られています。
そんな壬生寺の本堂に来てみました。

本堂には普段は非公開の日本最古の部類の像となる「本尊 延命地蔵菩薩(地蔵菩薩立像)があります。今回の「京の冬の旅」で特別公開中。

ポスターの表紙にもドーンと。

今回は取材として、特別に写真撮影の許可を頂き本堂に入れて頂くことが出来ました。ここが壬生寺の本堂な中。私は写真が上手ではないので、この神聖な雰囲気が漂う良さを伝えることが出来ないのが残念。
とにかく空気が全然違うんです。静寂の中に温もりがあるような…

これが現存する地蔵菩薩像の中では、現存する日本最古の部類の像となる「本尊 延命地蔵菩薩(地蔵菩薩立像)です。美しい截金(きりかね)文様の袈裟を着け、左手に宝珠を持ち、右手は与願印を結んでいます。
地蔵菩薩立像の横には、白い体に白い蓮の花を持つ「掌善童子」と赤い体に、杖と法具を持つ「掌悪童子」が立っています。向かって右側の掌善童子は人間が持つ三毒(むさぼり・怒り・無知)を清らかにし、左側の掌悪童子は、人間の煩悩を焼き、迷いの心を照らして悪魔を退けてくれると言われています。

そして…「ん!」とインパクトあるのが、この襖絵。

この本尊を取り囲む障壁画と襖絵は、友禅画家 あだち幸さんが4年がかりで完成させたもの。本尊の三方を取り囲むふすま8面と壁面6面(高さ約2.7メートル、全長約30㍍)の超大作です。

住職さんから、色々と教えて頂きましたが、時間的な都合もあり絵に関して詳しく聞くことが出来なかったので、自分の解釈と含めて想像すると…
これらの絵は現世から極楽浄土へと連なる命の永続性、そして平等、平和への願いを描いたものだそうです。その中の襖絵4枚(上の写真と下の写真)には「地獄変」として「生まれて生まれて生まれて」と「死に死に死に死んで」と名付けられています。と言う事は、これが現世でしょうか?

この絵を順に見て行くと、現世と思われる絵の下に何か光の線が伸びています。そしてその先には生あるものすべてを救う阿弥陀如来の姿が見られます。

現世は地獄?思わずそう自問自答してみると、そう言えば「全ての人は煩悩で苦しみ続け、有れば有る苦しみ、無ければ無いで苦しんでいる」そんな言葉を聞いた事があります。と言われる事があります。
そう考えると、この絵の流れを見ていると、ドンドン深みにはまって行きます。

絵には薬師如来、日光菩薩、月光菩薩や阿弥陀如来、勢至菩薩、観音菩薩と…

障壁画の奥には2016年の夏に安置された「鑑真像」があります。これは唐招提寺の鑑真和上坐像(国宝)をモデルに中国で2体作成されたうちの1体で、こちらも「京の冬の旅」で初公開です。
彩の美しい障壁画と重ねてみると別世界にいるような心地にさせてくれます。

そして、正面右側に目を向けると…

壬生狂言の創始者でもある円覚上人像もあります。

それにしても幻想的な空間です。

この本堂の中は、保存の関係もあり普段は明りをあまり付けないそうです。そう考えると、照明の中で、地蔵菩薩と障壁画をこうやって見られるなんて、本当に贅沢だと思います。

やっぱり京都ってスゴイ。この冬は京都ですよ。第51回「京の冬の旅」のテーマは「大政奉還150年記念」。日本の近代国家への歴史的舞台となった京都で幕末ゆかりの寺院を中心に通常非公開の文化財が期間限定で2017年3月18日まで特別公開されています。行かなきゃ!!
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壬生寺の本堂
住所:京都市中京区坊城仏光寺北入る
電話:075-841-3381
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