いつも、お立寄り頂き有難うございます
赤山禅院は、平安時代の888年、慈覚大師 円仁さん(最澄さん亡き後、その志を継いで天台密教の基礎固めをされた方です)の遺命によって創建された、比叡山延暦寺
の別院のひとつです。
御本尊は泰山府君(赤山大明神)
陰陽道の祖神とされる中国の神 泰山府君を勧請したもので、京都御所の表鬼門を守護しています
方除け、厄除けの御利益があるそう
前回記事に載せた上原行照阿闍梨の講演で、阿闍梨様の口からで出た「赤山苦行」という言葉がとても印象に残りました
それが何かを調べてみて赤山禅院の存在を知り、ご縁日には上原阿闍梨のお加持があるというので、先日行ってきました
寺院の場所は、京都市左京区修学院となります。
京都市バス(5番系統)、「修学院離宮道」で下車し、徒歩15分程で到着しました
修学院道に沿って進むのですが、案内板があるので迷う事はなかったです
「赤山大明神」と額のかかった鳥居をくぐり(神仏習合の寺院なのです)、少し行くと山門がありました。
参道は青々としたモミジがきれかったです。
秋はさぞ美しいだろうな~と思いました
実際、赤山禅院は隠れた紅葉の名所で、「もみじ寺」と呼ばれているそうです。
↓向こう正面に見えるのは拝殿
屋根の上に、鬼門除けのお猿さんが設置されています。
(うまく撮れませんでした・・行かれた方はぜひチェック下さいね)
阿闍梨様のお勤めは11時から行われます
はりきって9時半過ぎに到着した為か、参拝客は他にいませんでした^^
境内を独り占め
拝殿で御本尊にお参りした後、拝観順路に従ってゆっくり諸堂参拝させて頂きました~
地蔵堂
こちらのお地蔵様、とっても素敵でしばらくお顔を眺めていました。 地蔵菩薩の化身が、赤山大明神とされているそうです。
御本殿
赤山大明神がお祀りされています。
入口の大きな珠数が、インパクト大
もうひとつ、順路の最後にもありました。
寺院の説明によると
「最初の珠数をくぐりながら、心にうかんだ願いについて参拝の間、思い続けて下さい。そして、最後の還念珠をくぐりながら、やはりその願いが大切だと考えるなら、その願いに向けて努力をすることを誓い、仏様に力を貸して下さる様、祈って下さい。きっとご加護があることでしょう。」
との事です。
「正念誦(しょうねんじゅ)」「還念珠(かんねんじゅ)」という、密教の重要な考え方を示したものだそうですよ。
努力する人を、神仏は応援下さるのですね
巨大なお数珠をくぐるなんて初体験で、とっても新鮮でした
御本殿は、清らかな空気に満ちていました
狛犬さんも堂々と、カッコイイです
出世弁財天
清々しい気が流れていました~
羅漢・石仏群
羅漢さんの表情がとってもユニーク
竹林と苔むした石仏達・・独特の景観を作り出していました。
木立の中に良い雰囲気のお社が次々と現れ、心落ち着きます。
ほっと癒されました
都七福神の福禄寿様もお祀りされていましたよ~
縁結びの相生社
優しい神様がいらっしゃんだろな~と思いました
順路最後に現れた不動堂
こちらの不動明王像は、最澄さん作とも伝えられます
大好きなお不動様
ここで、ちょっとしたハプニングがありました。
お堂に上がり、お線香をお供えしようとライターをカチッ
・・火が付きません。
じゃ、こっちのライターをカチッ・・付かない
あれれ?
では、あっちのをカチカチ・・。つかへん~
今度は、マッチをシュッと擦ってみますが湿っているのか、点火しません
あー、もうお線香やめよ。
いやいや、お不動様に対してそれはあかんやろ
と、お線香を戻したり手に取ったり、右往左往しつつ、違うマッチ箱
を次々試し、やっとのことで点火(汗)
はぁ~
ほっと手を合わせてお不動様にご挨拶をしていると、人の気配。
なにやらカチカチ音がします。
目を開けて見ると、女性がひとり、さっきの私と同じことをやっている
「あの~、ここのライター全然使えないですよ」とお声がけし、マッチで(何回も必死で擦って)火を付けてさしあげました
そして、自然と会話が始まりました。
女性はジュンコさんという名の信者さんで、この日は御前様のお世話をしにいらっしゃったとの事でした
“赤山の御前さま”と呼ばれる叡南覚照大阿闍梨が、ここ赤山禅院にて療養されているのです。
私がこちらの寺院に来たのは初めてと伝えると、え~っそうなんですか、と驚いていろいろお話をして下さり、
「ぜひ、上原阿闍梨に会っていかれるといいですよ」と勧めて下さいました。
「11時からのお勤め・お加持の後、お食事の案内があるので、それを頂いて、食後、“阿闍梨様にご挨拶される方はこちらへどうぞ”案内がありますから、どうぞお部屋に行かれて下さい」
と、場の流れを親切に教えて下さいました。
でも、お布施の用意も何もしていないし、それはあまりにも図々しいのでは・・
と尻込みする私に、ジュンコさんはニコニコと、
「大丈夫ですよ
正直に言えば良いですからね。
“すみません、私、初めてで何もわからず来てしまいました。
さっきお堂で会った女性に阿闍梨様に会うよう勧められたんです”って
上原阿闍梨は優しく包んで下さいますよ。
きれいで清らかな、そのまんまで行けばいいんです
」
と、もったいないような言葉を添えて、励まして下さいました。
そして次回の為に、お礼の包み方も教えて下さいました。
熨斗袋に、“上”って書いて、下に名前書いて、自分が包める金額をお渡しすればよいそうです。
ジュンコさんは最後に、
「後で阿闍梨様に会ったら、“来られましたか?”って聞きますからね~。頑張って下さい」
と笑顔で去って行かれました。
・・・ぽつんと一人、お堂に残った私は思いました。
お不動様だ。
お不動様が、食事をして阿闍梨様とお話してゆっくりして行きなさいと言って下さっている。
・・なんでお不動様は、いつもこんなに良くして下さるんやろ
感激して、涙がドバーッと溢れそうになるのを必死でこらえ、これは決死の覚悟で(大げさですね・・笑)飛び込むしかない
と思いました。
でも一人、いきなり信者さん達の間に入っていくん、気が重い
そんな私の心を見ておられたかのように、神仏はちゃんと連れの方を用意下さったのです
時間になると、拝殿で上原阿闍梨のお勤め・お加持が行われました(45分くらい)。
私達は、外に張られたテントで参加させて頂きました
空には印象的な雲が広がっていました
終了すると、お寺の方が、
「皆さん、お斎の準備ができていますのでどうぞ。」
と食事の案内をして下さいました。
参列者の人数を数えて、準備して下さったようです
お部屋に入ると、精進カレーとお吸い物が
とても美味しく頂きましたよ~
その時、たまたま隣に座った女性(Kさんとします)が、「私、初めてで、勝手がわからなくて・・」と話しかけてこられました。
あ、私もなんです~とにわかに生まれる連帯感^^
とても感じの良い方だったので、阿闍梨様のお部屋に一緒にお誘いしました
お部屋に入る時は、ちょっと緊張しましたが、どうぞどうぞと阿闍梨様が笑顔で迎えて下さいました
集まったのは、信者さんを含めて10名ほど。
お菓子が配られ、阿闍梨様が、一人一人にお抹茶をたてて下さったんです
柔らかな笑みを絶やさない阿闍梨様
信者さん達との談笑の中、気さくに何度もこちらに話しかけて下さいました
初めてでも緊張しないように、疎外感を持たないように気配り下さるんだなぁと、素敵なお人柄に魅了されました
場の空気がとても和やかで、温かくて、すっかりリラックス~
Kさんの存在も心強かった
心地よくて、ずっとずっとお話をお聞きしていたかったです
ジュンコさんに勧めて頂いた通り、勇気を出してお会いして良かったと思いました
Kさんは、「まさか阿闍梨様とお話できるなんて。こんなご縁を頂けるなんて・・」と、感極まって涙ぐんでおられました。
お誘いして良かった
Kさんは、少し言葉を交わしただけで、とても心映えの良い方である事がすぐにわかりました
京都在住でありながら、最近神社仏閣を参拝し始めたそう。
喜びに輝くKさんを見ながら、
もしかしたら神仏は、Kさんを阿闍梨様に引き合わせたくて、私を“つなぎ”として使って下さったのかもしれない・・
そうだと嬉しい
と思いました。
ジュンコさんが渡して下さったご縁
それを、Kさんにつなぐ事ができた
誰かに優しさをもらったら
すぐ別の誰かにバトンするんだよ
そうすればまた一つ、笑顔が増えるから
大切な事を、神仏が実体験を通して教えて下さったと思いました。
有難くて涙が出ました。
13時から護摩供が行われる為、阿闍梨様との楽しい時間はお開きとなりました。
退出の際、お寺の方から、お線香とお供物の干菓子まで頂いてしまった。
(もらいっぱなし・・来月は、ちゃんとお布施持って行く)
お護摩は、護摩堂で小一時間行われました。
阿闍梨様がお護摩を焚く間、全員でお不動様の真言をひたすら唱え、終わりの方に般若心経→各種御真言と続きました。
(無動寺谷明王堂とは全然違っていました。)
護摩の火が、今まで見たことのないくらいのド迫力
ものすごかったです
あの穏やかな上原阿闍梨が、こんな激しい炎を上げはるんやなぁ・・と見とれてしまいました。
火の向こうにはお不動様も拝せ、最後に阿闍梨様からお数珠でお加持もして頂け、癒しと浄化に包まれた有難い時間でした
お護摩が終わって信者さん達が散っていく中、ひとりお不動様と向き合って感謝を述べていると、Kさんもやってきました。
2人して手を合わせ、もう一度「有難うございます」とお礼を述べました
こんな事ってあるんや
まさか、遠い雲の上の存在だった阿闍梨様のお側で過ごせるなんて
護摩供とお加持だけのつもりが・・
驚きの展開、あまりにもディープな時間に、帰りの私は軽く放心状態でしたよ(笑)
清々しい緑に囲まれた赤山禅院は、尊い神仏と静かに向き合える素敵な寺院でした。
こちらでは、“5“のつく日と、お不動様のご縁日(28日)に阿闍梨様のお加持があります。
(詳しくは寺院のHPで確認されて下さいね)
仲秋の名月、10月4日(水)には天台の秘法、「ぜんそく封じ へちま加持
」も行われます。
ピンときた方は、
阿闍梨様の慈悲溢れるお人柄に触れに、お加持のパワーを頂きに、ぜひぜひ訪れてみて下さいね
本日も長々と、最後までお付き合い下さり、有難うございました。