最近、またまたハマってしまった本。

「私の幸せな結婚」 
著: 顎木あくみ (あぎとぎ あくみ)
画: 高坂りと
キャラクター原案: 月岡月穂


きっかけはやはりSNSの広告から。

絵がキレイな漫画で、読み始めたらどんどん引き込まれていく。
わたしの好きな王道のシンデレラストーリー😍


原作の小説が3巻まであったので、そちらも読みました。
しかし。3巻で完結だと思っていたら、なんとまだ続いていた。続きが早く読みたいゾー( ̄▽ ̄)ノ

小説の表紙と漫画は高坂りとさんの画。そして漫画は原作にとても忠実に描かれているのでストーリーがブレない。

オスカル様(ベルばら)とサタン様(摩天道ソナタ)が心の中にいるけれど、この物語の主人公たちにも胸がキュンキュンしています(^-^)






↓ネタバレ~







和風ファンタジーもので、時は明治時代(頃。と思う)

主人公は異能(霊力・超能力)を受け継ぐ名家に生まれた斎森美世(さいもり みよ)。19歳。

異能を受け継ぐ家は、古来より帝に仕え、その力によって国は平穏に治められていました。

しかし美世には異能がなかった。
実母は幼い頃に亡くなり、その後父はかつての恋人と再婚。

継母の香乃子は自分たちを引き裂いた女の娘の美世を疎ましく思い、辛く当たりまくる。

父親も、一時は異能の血を濃くするための政略結婚で別れた負い目があるのか、香乃子に甘い。香乃子との間に娘が生まれ、その異母妹、香耶(かや)には将来に異能を持つ兆しの「見鬼の才(常人には見えない不思議な物を見る力)」が発現。
父は大喜びして、香耶ばかりを可愛いがる。

香耶も香乃子と共に美世を見下し、罵詈雑言を浴びせる毎日で父は見てみぬふり。

美世は斎森家にとっていらぬ人間で、使用人以下の扱いを受けて育つ。


名家の令嬢であれば高等小学校のあとは女学校へ通うのだが、美世は通わせてもらえず、家の外へ出ることはなかった。

ある日、美世は父に異能を受け継ぐ名門の久堂家の当主、清霞(きよか)の元へ嫁ぐように言われる。
そして、幼馴染みで唯一美世の味方をしてくれた辰石幸次を香耶の婿養子として迎え、斎森家を継いでもらうと。

密かに自分と幸次が結ばれ、香耶がどこかに嫁げば、できの良い異母妹と比べられる日々がなくなると淡い期待をしていた美世は落胆する。

久堂家といえば、異能を受け継ぐ家の中でもトップクラス。爵位を有していて財産も莫大。
当主の久堂清霞は27歳で強力な異能を持ち、帝大を出て現在は軍の少佐として部隊を率いている。
容姿は女性顔負けの美しく長い髪を持ち、どこか女性的な繊細さやたおやかさを備えてつつも、凛々しく鋭い眼差しで人を寄せ付けない威圧感のある絶世の美少年であった。

そして冷酷無慈悲な男として有名で、今まで多くの婚約者候補になった女性が家に入って3日ともたず逃げだすほどだと言う。

美世は自分も清霞に相手にされず捨てられること、そして一度斎森家を出たら二度と敷居を跨がせてもらえないことに絶望し、少ない荷物をまとめ久堂家へ向かう。

さぞや大きなお屋敷かと思えば、帝都(この物語では「東京」といわない)の郊外にある小さな民家に、ゆり江という女中が一人いるだけの質素な家だった。


初めて清霞と対面し挨拶をしても、清霞は平然と無視をする。

清霞にとっては破談する度に次々と送られる婚約者候補に辟易としていた。
今まで来た者は気位が高く、この家を見ただけですぐに帰る者、質素な食事や部屋に文句を言い怒り出す者、ひたすら自分に媚びて、陰でゆり江に辛く当たる者など、さんざんな目に合ってきた。

美世が来ても(ああ、またか)という感じで、にこりともしない。
無視をされたり、罵られることに慣れていた美世には何てことなかった。

翌日、美世は良家の娘らしいことはできないけれど、自分のできることをしようと朝食を作る。女中のゆり江はとても喜んでくれたが、清霞には毒を盛って自分の地位を奪おうとしていると疑われてしまう。
(早々に怒らせてしまった。失敗してしまった)と落ち込む美世。


一方、清霞は。
出会ったばかりで信頼関係のない人を警戒し忠告しただけ。悪いことはしていない。と思う反面、美世の悲しそうな表情が目に焼き付き、仕事に集中できなくなっていた。

その日の夜、きつく言ったことを謝り、翌日も朝食を作ってくれと頼む。


翌朝、食事を作り清霞と共に食べたとき、清霞の何気ない言葉で今まで優しくされたことのない美世は泣いてしまう。今まで女性を慰めたことのない清霞は内心オロオロする( *´艸`)



今まで来た女性は、我が儘を言った挙げ句、思い通りにならないと癇癪を起こして泣きわめいていたけど、そういう手合いは捨て置いても微塵も気にならなかった。が、今回は自分の言動を反復し、何がまずかったのかと悶々考えこんでしまう(可愛い♡)



普通の令嬢と違う美世が気になり、ゆり江に家での様子を見させ、自分は斎森家について調べ始める。

数日後、清霞は美世を伴って街へ出かけた。
美世が家で着ている着物はボロボロで、それには心が痛んでいた。昼間は破れた着物を自分で縫っているとゆり江から聞き、着物を買ってやろうと思ったのだ。
久堂家御用達の呉服屋に行き、美世を店内に待たせ、奥の部屋で女主人と一緒に着物を仕立てるための反物を品定めする。そしてあらかじめ頼んであった物だけその日に受け取ると店を出た。




美世は自分に異能がないので、結婚は成り立たないと考えている。その事がバレて追い出されるのは時間の問題。
なのに清霞にどんどん惹かれ、自分から言い出す勇気が出なかった。

清霞の元に依頼していた斎森家の内情の調査結果が上がってきた。美世の境遇を知り、清霞は彼女を蔑ろにした家族に怒りを覚える。そして美世には異能はおろか、見鬼の才すらないことを知る。

ある時、美世は香耶と遭遇してしまう。香耶は意地の悪い笑みを浮かべ、美世を誹謗し嘲笑う。一緒にいたゆり江が外面は良い香耶に惑わされず、「美世は久堂清霞の未来の奥方」と言ってくれるものの、実家にいたときと変わらずただ俯くしか出来ない自分に嫌気がさし、落ち込んで部屋で塞ぎこむ日が続いてしまう。


そこへ、斎森家にいたとき最も信頼していた使用人の花がやって来た。

美世が子供の頃、お稽古から戻ると部屋の物がすっかりなくなっていた。大切な実母の形見まで。
花が買い出しの用事に行ってる間に、継母の香乃子が処分してしまったのだ。
この頃は父親が味方してくれると思っていた美世は反論しに行くが、逆ギレされ蔵に閉じ込められる。そして花は解雇され、それから美世の居場所は完全になくなり、使用人以下になった。

突然のことに言葉のでない美世に、花は自分の近況を話す。幼馴染みの男性と結婚し、子供もいて、畑仕事をしながら幸せに暮らしていると。

「お嬢様はどうですか?幸せですか?」という問いに美世は堰を切ったように話し出す。




「自分には異能がない。見鬼の才さえも。だから旦那さまの妻にはなれない・・・」

そんな美世に花は優しく問う。

「どうして私がここに来たと思いますか? 斎森家や帝都に縁がなくなった私が、どうしてお嬢様の元に来ることができたと思いますか?」

「最初に手紙をもらったときは驚きました。雲の上の方ですから。久堂さまは良い方ですね」

美世は全て理解した。

花のことを知っていてるということは、清霞は美世について調べ尽くしていると。
異能が全てだと思っていて、ないとわかるや否や婚約解消され、追い出されると信じて疑わなかった。

「勇気を出してください。久堂さまは待っていますよ」

花が励ましてくれる。

清霞の真意を確かめ、前に進むために美世は部屋を飛び出した。



↑美世が心配で仕事を休んでいたのに(*^^*) ポーカーフェイス♡


もっともっと続くけれど、この辺りまでがとても好き♡
清霞がとにかく可愛い♡ 照れたり、オロオロしたり、嫉妬したり。「冷酷無慈悲」なのに( *´艸`) とても優しい。

原作の小説もまだまだ続いていて、待ちきれないけど日々の楽しみが増えたニャー(≧▽≦)

 


勇気を出してみれば。




美世って、「星の瞳のシルエット」の香澄ちゃんみたい(^-^)