昔から一度は行ってみたいと思っていたけど、アクセスの悪さからずっと行けず。
そんな訳で世界一周の中にむりやり組み込んでしまった。
小笠原諸島には空港が無い為、東京の竹芝から片道25時間30分かけて船で行く方法しかない。
しかも週に一便しか無い為、最低でも5泊6日の旅程となる。
さらに料金は往復で47860円(2012年3月)
それらを踏まえれば、日本で一番遠くて行きにくい場所かもしれない。
おがさわら丸
竹芝と父島を結んでいるのが「おがさわら丸」
約1000名も乗船出来る大型船の為、2等船室であれば当日港で切符を買えば乗船出来る。
乗れなかったらヤバいので電話で何度も確認したが、GWやお盆休み以外なら当日切符で間違いなく乗れるとの事。
地図で見るとどれだけ南に離れているかが分かる。
より大きな地図で 小笠原諸島_父島_母島 を表示
2等はいわゆる雑魚寝。
この狭さで25時間を過ごすのはかなり辛かった。
船には売店、レストラン、シャワールームなどを備えている。
港にはたくさんの見送る人達が来ていて、見えなくなるまで手を振ってくれている。
飛行機と違って船での出発はこれがいい。
さらにしばらくは東京、神奈川、千葉を見渡す事が出来るので「旅に出るんだなー」という気持ちを実感しながら出発出来る。
太平洋に出てしまうと360度完全に海と空しか見えなくなり、景色を見ていても退屈。
携帯の電波もつながらないので暇つぶし出来る物を用意しておくのが良い。
翌日、ようやく父島に到着すると島民のお迎えがあった。
父島に到着した「おがさわら丸」
母島
父島で船を乗り継ぎ2時間ほどで母島に行ける。
「おがさわら丸」の到着に合わせて母島に向かう船が出るという事なので、降りてすぐに今度は母島に向かう「ははじま丸」に乗船。
片道4460円で現地購入(2012年3月)
ははじま丸は定員140名程度の船なので「おがさわら丸」と違いすごい揺れた。
トイレには嘔吐専用の便器まで用意されていたから吐く人が多いんだろう。
"キンコンカンコーン"
「ははじま丸の周りにクジラが現れました」
と突然のアナウンス!
すぐにデッキに出て見ると、遠くではあるがクジラの潮吹きやジャンプしているのが見えた!
人生初の生クジラ。
ホエールウォッチングのツアーに行かなくても「ははじま丸」に乗れば高い確率でクジラを見る事が出来るらしい。
ちなみに2月~4月はベストシーズン!
一瞬なので写真に撮る事は出来なかったけど、2時間があっという間に感じる位、クジラを見ているのは楽しかった☆
母島に到着。
母島は人口450人程度の小さな島で父島に比べると何も無い。
母島で泊まったゲストハウス「ママヤ」
「ママヤ」で借りた原付に乗って島内を走り回る。
初めて見る「ヤドカリ注意」の標識・・・
注意しようにも小さ過ぎて避ける事は不可能な気がするが・・・
島内で一番の標高を誇る「小富士」という山がある
ここからの眺めが最高だって事で、山頂まで頑張って歩いてみた。
山頂までは確か1時間半位だった気がする。
噂通り小富士の山頂から見る景色は絶景だった。
母島での宿泊予定はたったの1泊。
次の日の昼頃には父島へ戻る「ははじま丸」に乗った。
すると今度は
「ははじま丸の周りにイルカが現れました」
のアナウンス!
運が良すぎる。
「ははじま丸」と平行してイルカの群れが一緒に泳いでいた☆
天気も悪くて綺麗な写真は撮れなかったけど大満足!
父島
母島から来ると父島がとても栄えていて街っぽく思える。
母島は手付かずの大自然という良さがあるけど、父島は父島で色々な遊びが出来て良い。
父島で泊まったゲストハウス「もりおの家」
調べた限り島で一番安かった。(1泊2800円)
この日は一度食べて見たかった小笠原名物「亀」を食べた。
島寿司、亀煮、亀刺のセットで2000円
島寿司はわさびの代わりにマスタードを使っている。
亀はちょっと臭みがあり馬刺のような食感。
父島でも原付を借りれるので原付で走り回った。
港のすぐ横にある大村海岸。
港全体を見渡す事が出来るパノラマ展望台。
島の中心の方にある中山峠展望台。
大自然と綺麗な海!
どこを見ても最高に綺麗な景色だった。
5泊6日と言ってもそのうち2泊は船の中。1日は母島。
そうなると父島には2泊しか出来ない。
もっと長い旅程を組んでおけば良かった・・・全然足らない。
宿のみんなで夕陽を見に行こうという事だったので、原付に乗って夕陽を見に行ったりした。
三日月山展望台(ウェザーステーション)から見る夕陽。
そして夜は宿のみんなと島で釣れた魚をつまみに深夜まで飲んだりした。
カヤックに乗ってジニービーチへ
島に着いてすぐ観光協会でこの日の為のツアーを予約しに行ったが、ドルフィンスイムなどの人気ツアーは全て予約一杯だった。
二ヶ月位前から予約するのが無難らしい・・・
さすが世界遺産に登録された島。
結局、カヤックでジニービーチへ行くツアーに申し込んでおいた。
当日、ツアーで一緒になった拓さんと。
カヤックでひたすら漕ぎ続けて穴の中をくぐり抜けたりしながら目的地に向かう。
慣れないのでかなり体力が消耗するがジニービーチの美しさに元気を取り戻す!
クルーザーでは来る事が出来ないビーチで、断崖に囲まれている為、ツアーメイト以外は誰もいない。
みんなテンションが上がる。
それにしても綺麗な海。
他にもたくさんのビーチを回ったあと、秘密の場所があるという事で「コペペ海岸」でカヤックを降りて陸を歩く。
森に入ってさらに防空壕を抜けると絶景のスポットがあった。
父島の見送り
父島のクライマックスはここから。
この日は東京に戻るおがさわら丸に乗船する日。
約1000人の人々を見送る為に港には島中から見送る人が集結する。
それはまるで「祭り」
太鼓が鳴っていたりメディアの取材が来ていたり・・・
週に1度の一大行事に島中の人が集結していそうな感じだった。
船が出航したあとも、ず~っと手を振っていてくれる。
これだけでも十分に感動!
けど父島の見送りは想像を遥かに超越していた!
それぞれのゲストハウスのクルーザー
ツアー会社のクルーザーがおがさわら丸を追いかけて来る。
大きな旗をはためかせている船や
皆で曲を演奏している船
皆でダンスをしている船
皆でずーーっと手を振り続けてくれている船
そして最後は荒波の中へ救命道具も身に着けずにジャンプ!
たった二枚の写真で伝える事は難しいけど
どんな風景よりもこの見送りが一番感動だった。
世界遺産に登録され
空港建設などの問題も。
空港が出来たらこの感動の見送りも無くなるし
自然破壊も進むだろうし・・・
時間もお金もそれなりに必要な島だけど
行くなら是非今のうちに行く事をおすすめします☆
以上、最後の楽園、小笠原でした!
ーーー追記2016/8/4ーーー