こんにちは。
飛行機で旅をしたくなるブログです。

※今回使う単位について※
飛行機や風の速さをノット|knotと表記します。1 knotは1.852 km/hです。
風の速度は m/s で表記するのが一般的ですが、
比較のために km/h で表記しています。

皆さんは、「なぜ飛行機は向かい風で離着陸するのか?」
疑問に思ったことはないでしょうか。

その理由をざっくり説明するなら、「より短い距離で離着陸できるから」です。
ただし、離陸と着陸ですこし事情が違います。
今回は、離陸の場合に絞って解説したいと思います。

飛行機は、主翼(胴体についている大きな翼)
に空気が当たることによって空中に浮くための力=揚力が生まれます。
諸説あるようですが、下図のように翼の上を通る空気と翼の下を通る空気の速さの違いによって
なんやかんやで揚力が発生するらしいです。


ここで、速度の二つの概念について説明します。
車や電車が地上を走る速度など、日常的に皆さんが「速度」として考えている、
地上に立っている人から見た物体の速度を
「対地速度|Ground Speed」といいます。
(これをGS〔ジーエス〕と略して呼べば、あなたも航空マニアに一歩近づけます。)

一方で、飛行機などが空気の中を進む速さのことを「対気速度|Air Speed」といいます。
(なぜかこちらはAS〔エーエス〕と略さず、「エアスピード」と呼ぶのが一般的です。)

風が強い日、鳥が風に向かって飛び続け、
空中の同じ場所で浮いていることがあります。
向かい風(正面からの風)が鳥に向かって10 knot(約20 km/h)吹いているとすれば、
鳥も向かい風に向かって同じ速度、10 knotで風に向かって飛んでいることになります。
その場合、鳥のAir Speedは10 knotですが、地上から見れば動いていないので、GSは0です。


飛行機も同じように、理屈上はGSが0でも浮かぶことができます。
浮かぶために必要な速度は、GSではなくAir Speedということになります。

みなさんが空港でよく見る、いわゆるジェット機であれば、
ざっくりAir Speedが140 knot(約260 km/h)くらいあれば離陸できます。

もし、風のまったくない状態であれば
地上を140 knotで進めば(GSが140 knotなら)
Air Speedは140 knotになります。

向かい風が10 knot(約20 km/h)吹いていれば、
地上を130 knotで進めば(GSが130 knotなら)
Air Speedは140 knotになります。


車で考えてみましょう。アクセルをベタ踏みで
140 knot(約260 km/h)まで加速する距離と、
130 knot(約240 km/h)まで加速する距離、
どちらが短いでしょうか。

結果的に、向かい風が強ければ強いほど離陸に必要な距離が少なくて済む、ということになります。

しかし、ここでまた疑問がわいた方もいるかもしれません。
そもそもなぜ、離陸に必要な距離を短くしたいのでしょうか。
長くなったので、それについてはまた次回。