昨日の投稿
今日の魚料理 チダイの酢じめ炙りと塩焼き | 帰国子女の保護者を静かに応援する元塾講師・田畑康のブログ
を見てくれた友人が、「なぜに突然料理コンテンツ?」とメッセージをくれまして、確かに唐突でしたかね(笑) 。
私の授業ではよく料理や食べ物(やお酒)の話が出てきていたんですよ。
小学生たちって、勉強って受験のためだけとかって考えているケースが多くて、だから、暗記系の知識やデータで得点を稼ごうとするんですよね。
でも、私はこれから、子供たちに料理をどんどん教えなきゃいけない時代が来ると思ってるんです。
私自身が料理が趣味というのはあるのですが、料理ってすごく頭を使うし、集中力が必要だし、ひらめいたりもするし、盛り付けのセンスもあるといいし、なんか、総合芸術のような気がしているんです。
というのは、まあ、後付けの理屈なんですが、塾講師を30年もやってると、生徒たちが喜ぶ鉄板ネタみたいなものがあって、その中でも料理の話とかはとても高い打率なんですよ。
今日は、おなじみのことば義塾小5クラスで、受験生も家の手伝いをしろ!という文脈で「お寿司」と勉強について実況中継してみます。

「帰国生の受験」と「家の手伝い」
寿司と教育・その1
タバタ先生:さて、いよいよ受験まであと1年を切った君たちだが、ただ、がむしゃらに勉強して成績を上げようとばかりするのではなく、きちんと人間力も上げてもらいたい。
たとえば、塾がない日は、できるだけお母さんの買い物について行ったり、台所の仕事のお手伝いをしなさい。
英検1級リッキー君(以下、リッキー):え~?漢字とか音読とか、スゲエ忙しいんですけど。
タバタ:うん、まあ、できなきゃいいよ。
でもそれは、人間力成長の放棄でもある。
リッキー:なんでですか?
タバタ:たとえばさ、1年後、面接試験で「君は家のお手伝いは何をしていますか」って聞かれて、いまのままじゃ「はい、忙しくて家の手伝いはできてません」って答えそうでしょ。
リッキー:ええ、まあ。それじゃいけないんですか。
タバタ:みんな、これについてどう思う?
全員:し~ん
英検準1級セレナさん(以下、セレナ):はい。えーと、お姉ちゃんの受験の時に横で面接練習を聞いてたので私は知ってます。
タバタ:あはは。そうか。じゃ、ほかの生徒に聞いてみて答えが出なかったらセレナにくことにしよう。
英検2級マックス君:はい。推測なんですが、「家のお手伝いくらいやらないでどうするんだ」って感じですか。
タバタ:うん、まあ、そう。
リッキー:えー?だって、うちの母さんも父さんも、残り1年は勉強に集中しなさいって言ってますよ。
一同:ざわ、ざわ・・・
タバタ:そうだねえ。それもご両親の愛!
だけどね、これも常々伝えているけど、受験なんて、サポートしてくれる家族が息をつめて静かにしてあげるとかいう世界じゃだめなんだって。
一同:ざわ、ざわ・・・
リッキー:えー?せっかくのサポートを要らないっていうんですか?
タバタ:そういうわけじゃない。
じゃ、ここで、おととし、ことば義塾から見事合格を勝ち取ったお姉ちゃんがいるセレナから聞いてみよう。
セレナ:はい、えーと、もう2年前のことなので、はっきりとは覚えていないのですが、「家のお手伝いもしっかりやった受験生」と、「忙しいから家の手伝いを全部拒否した受験生」の、どっちを中学が欲しがるか、って話だったと思います。
タバタ:そのとおり!
お姉ちゃん、セレナにもシェアしてくれてたんだね。
確かお姉ちゃんは、小6の2学期になるまで家のお手伝いをやってなかったんだよね。
セレナ:はい。それで、タバタ先生の面接講座を親子で聞いて、目が覚めたって言ってました。
タバタ:で、セレナの方は?
セレナ:はい。もちろん、家族で話し合ってできる範囲でやっています。
一同:へえ~。
タバタ:すばらしい!具体的には何をやってるんだい?
セレナ:はい。毎日じゃないけど、塾のない日は、先ほど先生がおっしゃった、母の買い物についていくこととろ溶離の手伝いをやっています。
マックス:セレナ、えらいね~。
セレナ:そんなことないよ。
リッキー:げげげ。
オレなんて、台所に入ろうとするだけであっち行けって感じなのに。
一同:(笑)
タバタ:あはは。まあまあ、今度の保護者会では、みんなのお母さんたちにお手伝いの大切さを伝えておくから安心しなさい。
ところで、セレナはすでに取り組んでいるけれども、今日は、買い物と料理のお手伝いの効果について話をしてみよう。
さて、みんな、家族で盛り上がる食事って何?
リッキー:はいはい!お寿司です!
マックス:うちもお寿司は盛り上がるなあ。手巻き寿司だけど。
タバタ先生は握り寿司の板前もやっていたんですよね。
リッキー:えー?マジで?こないだは劇団員だったって言ってませんでしたか。
タバタ:ははは。実は、大学行きながら劇団に入って、寿司屋でアルバイトをしていたんだ。
セレナ:それ、お姉ちゃんからも聞きました。1日3~4時間寝れれば大丈夫だったって。
一同:(笑)
タバタ:お姉ちゃん、余計な情報を吹き込んだね(笑)。
まあ、事実なんだけど。
そう、先生はね、ウェイターで働き始めたお寿司屋さんで、寿司を握る板前さんまでできるようになったんだよ。
でもまあ、今日はその話はここまでにしよう。
リッキー:もっと聞きたい!聞きたい!
タバタ:リッキーうるさいよ。そうだね、これは夏期講習会の時の先生のお話、鉄板ネタなんだよな。
パート1、私と演劇。
パート2、私と握り寿司。
一同:(笑)
タバタ:さて、家族が大盛り上がりするお寿司だが、今度、おうちがお寿司の時は、必ず買い物と準備のお手伝いをするんだよ。
マックス:なにが勉強になるんですか。
タバタ先生:実はね、英語の勉強とも連動してるよ。
寿司ネタを英語で言えるかな?例えば、マグロは英語で何て言うか知ってる?
リッキー:マグロっすか?それは「トゥーナ」 っすよね!
タバタ:そのとおり!
純ジャパの子たちは「ツナ」とマグロが別の魚だと思っている子も多いらしい。
一同:(笑)
マックス:僕も、最近までそうでした(笑)。
先生、そういえば、ツナ缶のことをシーチキンっとぃうのは何でですか。
タバタ:そうそう、そうやって探求心を持とう。
シーチキンの呼び名はね、たしか「はごろもフーズ」かどこかの登録ブランドなんだよ。
ずばり「海の鶏肉」って意味なんだけど、これがバカ売れして、日本人はツナ缶のことをほかの会社のものでもシーチキンって呼ぶようになったらしいんだ。
こういう例は他にもあって、ホチキスとか、セロテープとかも、登録ブランドが一般名詞みたいに使われるようになったってことだ。
一同:ふーん
リッキー:いきなり深くて面白いですね。
タバタ:だろう?さて、マグロはTUNAだが、じゃあ、中トロは?
実は、先生が勤めていた寿司屋で外国人のお客さんが来て、ネタケースの中トロを指さして「これは何だ」って言われて「This is TUNA」って言ったら、隣の赤身を指さして「TUNAはこっちだろ」って。
一同:(笑)
タバタ:苦しまぎれに「Oily TUNA」って教えたんだ。
そしたら、その客が「Oh, FATTY TUNA」って教えてくれた。
脂肪分たっぷりのマグロ。なるほど。
一同:(笑)
リッキー:じゃ、大トロは?
タバタ:THE FATTIEST TUNA
一同爆笑
リッキー:まじで?
タバタ:あはは。というのは嘘で、Special FATTY TUNAとかPremium FATTY TUNAというらしい。
でも、Fattiest portion of TUNAともいう、ってガイドブックには書いてあった。
あるいは、大トロをFATTY TUNAと呼び、中トロをMedium FATTY-TUNAと案内しているお店もあるようだね。
セレナ:マレーシアにもお寿司屋があったけど、メニューをそこまで注意して見たことがなかったです。
タバタ:そうそう。帰国した後でも、今みたいな気づきがあれば十分だよ。
ウェブサイトで調べてもいいし、いつかマレーシアに行くときに調べてもいいし。
セレナ:はい。そうします。
タバタ:英語の名前をそのまま使っているネタもあるね。
リッキー:はいはい!サーモン!
タバタ:そう、その通り。「鮭」じゃなくてサーモンって呼んでいるのはなぜなんだろう。
知っている人はいるかな?
マックス:確か、鮭とサーモンは別の魚なんだって、どこかで読んだ気がする。
タバタ:すばらしい!それ正解。
日本で獲れる鮭って川魚だから、寿司ネタにはならないんだ。
リッキー:えー?じゃ、サーモンってなんですか。
タバタ:寿司ネタのサーモンって、ノルウェーやカナダなどから輸入されるアトランティックサーモンやトラウトサーモンが主流なんだよ。
だから、歴史のある老舗の寿司屋ではサーモンを出さないところも多いらしい。
まあ、先生が勤めていたところはそんな老舗でもなかったからサーモンは超人気のネタだったけどね。
まだあるよ。カタカナのネタ。誰か思いつかない?
一同し~ん
タバタ:ヒント、巻き物。
セレナ:あ!カリフォルニアロール!
一同:(笑)
リッキー:そりゃあ当たり前じゃん!
タバタ:そのとおり!
でもさ、アメリカン人の考えたカリフォルニアロールが日本でも人気になるって、なんかすごくない?
リッキー:そういえば・・・すごいことですね。
タバタ:ほら、家族の手巻き寿司パーティーを手伝うだけで、こんなに勉強になったでしょ?
続く

