こんにちは。

帰国子女受験コンサルタントのタバタです。

 

今日のFAQです。

今回も、タバタの主観いっぱいの回答です。ご了承ください。

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小6になる直前3月にアメリカから帰国した男子、英検2級を持っています。

この夏、ようやく気合が入って来て頑張っているのですが、第1志望が高望み過ぎて不安ばかりです。夏までの成績を見る限りでは第1志望はおろか第2志望、第3志望も厳しい感じです。第四志望なら通わせても意味がないから中学受験なんてやめようか、と夫婦で話したりすることも多いです。

はたして、受験をあきらめる、という選択肢は現実的でしょうか。

無理をしてでも受験をし、第4志望以下の中学でも合格すれば通ったほうがいいのでしょうか。

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こういった「高望み系」の中学受験のケースだと、保護者様のマインドセットの重要さは特にポイントとなりますね。


あくまでも、何度も言いますが、タバタの場合ですが、小学生の受験を「プロアスリートを目指すこと」「人間関係」に例えて説明させていただくことが多いです。
 

 

 

1.プロアスリートの例え

お子様(仮にエス君としましょう)が、バスケットボールが大好きで、将来はプロになりたいと言っていたとします。
 

保護者目線でいうと・・・


本人はバスケが大好きでよく友達と遊んでいるけれど、それほど背が高くないし、学校の体育でも優秀というほどでもない。

 

だからプロになるなんて無理だろう・・・


さて、ここでママはどんな態度、声がけをすればいいでしょうか。
 

「エス、あなたがバスケを大好きなことはママは良く知っているし、夢を持つことはいいと思うの。


だけど、あなたは小6の子供としては普通の背の高さだし、運動会の徒競走で1位になったこともない。


ママは厳しいと思う。


現実的に考えて、あなたはパパとママの子供なんだし。
 

プロバスケ選手なんて高望みよ

 

あきらめたら?」

 

こういった話をする保護者様は実在します。

 

言われたエス君はどう思うでしょうか。

 

 

 

2.人間関係についての例え

海外から日本の小学校に通い始めたエス君から学校の様子を聞いています。

ケイ君という、明るいキャラクターで話が面白く、イベントでもリーダーシップを発揮しているクラスメイトと友達になりたがっているとことが分かってきました。


保護者目線でいうと・・・
 

本人はケイ君と比べると話は上手ではないし、コミュニケーションスキルはないことはないがリーダーシップというほどのものは持っていない。
 

だから、ケイ君のような優秀な子に相手にされないことで傷ついてほしくない・・・

さて、ここでママはどんな態度、声がけをすればいいでしょうか。

 

「エス、あなたは努力家で素直でとてもいい子。

 

ただ、全国平均で言うとフツーの平凡な子よ。

 

でもね、ママもケイ君のこと知っているけど、彼は偏差値70なのよ。

 

あなたには分不相応よ。

 

友だちになりたいってアプローチしても、相手にされなくて傷つくのはいやでしょう?

 

ママはね、厳しいと思う。高望みよ。

 

現実的に考えて、ケイ君と友達になるのはあきらめたら?」

 

この例は、タバタが考えたフィクションです。

 

しかし、友人関係ではなく、恋愛関係や結婚相手のトピックになるとき、このような思考になる人は存在します。

 

もと教え子や、知り合いの若い人達から、このような相談を受けることもあります。

 

タバタは、他人からは「当たって砕けろ」な生き方をしているように見えるようで

(本当は自分なりに慎重に行動しているつもりなのですが・・・)、

そんなときにさせていただくアドバイスは、

 

「やらなかった後悔とやった後悔のどちらが大きくなるかをイメージしたらどうですか」

 

です。

 

多くの悩める大人が

 

「若いころ○○をやってしまってスゲエ後悔している」

 

よりも

 

「若いころ○○をやらなかったことをスゲエ後悔している」

 

とぼやいていませんかね・・・。

 

さて、順に声がけ例を・・・

 

1.スポーツの例の声がけ例

 

「まあ、バスケのプロ!素敵な夢ね!

 

いつも楽しそうにやってるもんね。

 

ママもパパも応援するわ。

 

じゃあさ、今は、友達で遊んでいるだけのバスケだけど、プロになるためにはどんな道があるのかな?

 

ママもいっしょに調べたいなあ。」

 

どうでしょう。

 

これは、実際に、プロのアスリートになりたがっているお子様を持つママが話した内容です。

 

ママによる肯定と、課題意識を芽生えさせる、素晴らしい声がけだと思います。

 

 

2.人間関係の声がけ例。

 

「ケイ君って、あの学級委員やってる、なんかリーダーって感じの少年?

 

うん、あの子はエスのクラスの中でもすごいカッコイイ子ね。

 

いいなあ、ケイ君と友達になれたらサイコーだね。

 

でもさ、エスがこんなことをママに相談するってことは、何か不安なの?」

 

はい。こちらも、肯定課題意識でいいと思います。

 

この後、親子の会話はとても深くて濃いものになっていくでしょう。

 

(実際は、友人関係について親に相談したことがある小学生には出会ったことがありませんが、青春期を越えて結婚相手の話になると親に相談する人は多い気がします。

これもタバタの主観ですが・・・)

 

 

さて、なぜ、スポーツ選手と人間関係の話を間にはさんだかというと、小学生にとっては、これらと志望校へのがんばりが同じステージのものと思われるからです。

 

 

というか、受験勉強こそ、何に役に立つかと言えば、このように将来の夢や人間関係構築の悩みに役に立つような経験値にしてほしいです。

 

 

さて、この質問の回答です。

 

本人が第一志望に向けて頑張っているのに、保護者がやめさせるのはおかしいと思います。

 

確かに、中学受験は、エネルギーも時間も多く必要で、サポートするご家族の苦労も想像を絶するレベルになる可能性も高いです。

 

しかし、ご両親で話されているように、『高望みだ』とか『第4志望に通わせるのは意味がない』とかいうのは単なる大人の視点だと思います。

 

本人は、今やっている努力の価値が分かっていて、大きな目標に向かって頑張ることの貴さを知り始めている可能性があると思います。

 

プロのアスリートを目指すお子様に『あなたには才能がないのよ』と言いますか。

 

言わないでしょう。

 

あこがれのクラスメイトと仲良く成りたがっているお子様に『あなたには無理よ』と言いますか。

 

言わないでしょう。

 

私は、中学受験でも大切なのは、お子様の取り組みを肯定し、課題意識に立ち向かう応援をすることだと思います。

 

そもそも、第1志望校に受かるお子様の方が少ないのです。

 

それでも子供たちがあこがれ、試行錯誤をしながら立ち向かっている。

 

不合格になる可能性もあるでしょう。

 

第4志望校でやっと合格をいただけることもあるでしょう。

 

偏差値■■未満の中学には行かせる意味がない、という価値を否定する気はありません。

 

でも、受験の目的は偏差値■■以上の中学に行かせることではないはずです。

 

もしそれが第1志望校に受かるためにやった努力のおかげで得た合格ならば、胸を張って通ってください。

 

自分で目標を設定し、課題を見つけ、日々机に向かってきた。

 

なんてすばらしい中学受験だったのだ。

 

と、こう思えるようになると私は考えています。

 

2024年8月21日
タバタヤスシ