今年の歯と口の健康週間の標語は「歯と口は、健康、元気の源だ」です。

 前回の続きで、舌の位置が大切なことについてです。歯並びだけでなく、歯の寿命を長持ちさせることにも重要です。

 舌の先の正しい位置は、口の天井にあたる口蓋にいつもついていることです。上下の歯の裏や、上下の歯の間に入るのは間違っています。噛むときも、舌の先を口蓋につけたまま噛むことで、噛む力や速度をコントロールできます。舌がジャッキの役割をするのです。

もし、舌でコントロールできていないと、噛む力が直接歯そのものにかかり、歯がすり減り、しまいに割れたり、あるいは歯周病で歯の周りの骨が溶けた状態で歯ぎしりし、歯がグラグラになって抜けてしまいます。舌を上あごの天井、口蓋につけることで、歯にかかる力を軽減でき、歯そのものの寿命が延びます。舌が口蓋にすっぽり入っていると、歯並びは自然に良くなります。子供の間に舌のくせを直すトレーナーがあります。歯並びに大きく関係します。また、舌の位置が低い人が多く、低位舌、といいます。低位舌は、ポカンと口をあけた口呼吸につながります。口呼吸になると、ばい菌が口から入り、免疫力が弱り、風邪をひきやすくなります。鼻の通りが悪くなり、鼻炎になります。舌骨の位置が下がり、気道が狭くなり呼吸しづらくなります。夜間、舌が気道をふさぐのが、睡眠時無呼吸です。舌を思い切り下に引いてみてください。口は開き、二重あごになり、首は前に倒れ、背中は丸まり、肩に力が入り硬くなります。いわゆる現代人の姿勢はこれなのです。

 舌の位置を正しく治すことで、これらが全て解消されます。背筋をのばすより、まず舌を正しく使うことです。

 舌は筋肉でできています。腕立て伏せすれば、腕の筋肉が鍛えられます。上顎の天井のてっぺんに舌の先をつけたままで口を開け閉めします。10回1セットで朝昼晩3回やってください。『べろ立てふせ』とでも呼びましょうか。

 また、『あいうべ体操』は、外舌筋や口の周りを鍛えます。ゆっくり『あ』『い』『う』と言ったあとに舌を『べー』っと突出します。

 舌が弱ると、食べ物がうまく飲み込めません。高齢になり、嚥下障害や、誤嚥性肺炎を起こします。鼻呼吸ができれば、脳に酸素がいき、頭が良くなり、脳が活性化され、風邪も引きにくくなります。

 舌をトレーニングして、健康に暮らしましょう。

 

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