劇画家の影丸穣也さんが亡くなりました。
私の子供の頃大好きな漫画で楽しませてくれましたので、少し思い出を書いてみたいと思います。

私の青春時代、中学生の頃のマイブームは漫画と音楽と格闘技でした。
創部されたばかりのハンドボール部で毎日ものすごいハードな練習をしながら、新聞配達や、甲子園でビール売りまでする今では考えられないほど体力のあった私です。

そのエネルギーを発散すべく、小学生の時に一目でファンになったブルース・リー、その後は大相撲、プロレス、ボクシングとあらゆる格闘技にのめりこんでいました。

思い起こせば、幼稚園の頃からタイガーマスクに憧れ、虎のマントをして外を歩いていた記憶もあります。
幼稚園児でコブラツイストや4の字固めができるというすごいテクニシャンで、あまりにも乱暴なので、先生を泣かしていました。

小学生の頃は近所にまだ貸本屋というのがある時代で、格闘技漫画はたくさん読んでいました。
スポ根の巨匠 梶原一騎原作「空手バカ一代」という漫画は、当初 つのだじろうさんが描いていました。

つのださんは、有名で、うしろの百太郎、恐怖新聞など、当時は怖くて読めないほどのリアリティーで、今でもカルト的なファンがいる超常現象漫画の第一人者なんですが、その、「空手バカ一代」の主役大山倍達が、ちょっと気持ち悪くて、あまりにも本人と似てないし(笑)、そんなに好きな漫画ではありませんでしたね。

つのださんの描いた大山倍達
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ところが、急に原作者は同じで、描く人が変わりました。
そんなことは聞いたことも見たこともなかったです。
タイトルも同じ、「空手バカ一代」です。

その変わって描いたのが、影丸穣也(連載当時は譲也)さんでした。
なんというか、劇画タッチで、迫力あふれるそのセンスとカッコよさに加えて、主役の大山倍達から、弟子にスポットが当たるようになり、ついに、私が死ぬほど憧れた、ケンカ十段 芦原英幸シリーズになりました。

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いまでは考えられないけど、極真空手を広めるため、四国に一人で行き、他流派に喧嘩を売り歩き、道場破りを繰り返し、少しずつ弟子を増やしていく、というストーリーは無茶苦茶なんですが、原作者の素晴らしさもあって、しかも登場人物は実在の人物と言うことに、当時の私はしびれてしまいました。

毎日、疲れて家に帰っても、兄貴と空手の稽古です。
芦原英幸が金が無くて、白いご飯に塩かけて食べたというエピソードを見たら、「俺も塩めし食う」とアホなことを言い、真似するくらいカリスマでした。

後年、この漫画には創作がいっぱいあることを知り、年も取ったから情熱は冷めましたが、同年代には猛烈な極真信者がいっぱいいいました。
この漫画のおかげで極真会はものすごい数の入門者が殺到し、世界中に支部を持つ大組織となっていきましたね。

影丸さんでもう一つの名作といえば、「ワル」です。
原作は梶原一騎さんの弟で、当時極真会最高師範 真樹日佐夫さんでした。
真樹さんも今年亡くなったばかりで、不思議な感じですね。

この主人公、氷室洋二がまたかっこいい。
クールな感じの男を書かせたら最高にうまいんですね。
氷室に惚れる女教師 美杉麗子もよかったです。

影丸さんの作品「ワル」は、当時、流行っていた校内暴力ものですが、同じようなジャンルでは、男一匹ガキ大将から硬派銀次郎、愛と誠、男組、1,2の三四郎、私立極道高校など名作がいっぱいありました。

懐かしいです
今度、漫画の名作について私が勧める作品紹介などもしてみたいと思います