ギターアンプなどで有名なマーシャルアンプの生みの親、ジム・マーシャルさんが亡くなったそうです。ご冥福をお祈りします。

故人につきましては、全く知識も思いいれも実は何にも持っていませんが、マーシャル・アンプといえば、私たちの世代では、バンドマン、特にギタリストでは誰もが一度は使ってみたい、夢のギターアンプでした。

あの頃、あこがれたマーシャルアンプについて古い思い出を書いてみたいと思います。

小さい頃から、年上の兄や従兄弟に洋楽を聞かされて、小学校に入る頃にはS&Gや、ミッシェルポレナレフあたりを口ずさむようになってた私は、いつしか、大阪市淡路駅前スーパーアカシヤに当時あったレコード屋さんが遊び場になって、店員さんにとてもかわいがってもらいました。

低学年の頃、兄貴が買ってきたLPレコードの数々は名盤ばかりでした。
でも意味が全くわからない横文字ばかりでした。

日本のGSや和製ロックには全く興味が無く、洋楽中心に、同時に日本の歌謡曲や演歌も聞いて育ちました。

LedZeppelinで、ハードロックという言葉を知り、ギターに興味を持ちました。
近所に当時、珍しかったヴィンテージギター専門店が出来たので、ギターも弾けないのに、小学生の私はしょっちゅうそこに出入りして、店員の兄ちゃんが自慢げに弾いてくれる有名な曲に、シビれて鳥肌立てていました。

今では、もう数千万円する、1958年製のギブソン・レスポールもありました。
当時80万円で売っていたんですが、母に「一生のお願いがあるねん」って言って買って欲しいとお願いしたところ、まじめにすら聞いてくれずに悲しかったことを覚えています。

少しマニアックに書くと、チェリーサンバーストが退色してレモンドロップといわれる状態になった、こんな感じでした。
表面には、フレイムメイプルという、いわゆる「トラ目」といわれる縞模様が入った美しいギターなのでした。
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その店はいつも、ヒマで、客は見ることしか出来ない貧乏人ばかりで、ギターが売れたのは見たこともありませんでした。

レスポールの芸術的かっこよさにあこがれて、そればかり見ている私に楽器屋の兄ちゃんは、「このストラトっていうギターもいい音するんやで、弾いたろか?」
といって、1954年製フェンダー ストラトキャスターを古いフェンダー ツインリバーブというアンプにつないでデモ演奏してくれました。

そのオンボロに見えたギターから流れる美しい音色は、チキン肌どころか、もう失禁しそうなくらい、とにかくかっこよくて、ビビリましたね。

こんなギターです。

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しかし、いつも思うのですが、電化製品がこんなにも進化した今でも、エレキギターなどの弦楽器は50年以上前の作られた製品を上回るどころか、いまだにそれらのコピーモデルが圧倒的人気を占めています。

いくつかの新しい型のギターも作られてはいますが、ギタリストのほとんどが一度はフェンダーストラトキャスター、ギブソンレスポールどちらかを手に取るでしょう。
車や携帯、パソコンなどでは考えられない世界ですね

最新機種よりも、50年以上前のモデルが色も型も音色さえも優れているなんて。

そんな少年時代の私がその次に知ったのが、マーシャルアンプでした。

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当時大人気のハードロックのギタリストは、ほとんどが、マーシャルアンプだったのです。
何がすごいのかもわからず、でも、みんな使ってるからすごいんだと思っていました。

14歳のとき、レインボーというバンドが来日して、はじめて外タレコンサートに行きました。
ギターのリッチー・ブラックモアは元ディープパープルのギタリストで私の世代のギタリストが、こぞってコピーした有名なギタリストです。

とにかく、LPレコードと写真だけで、動いているところを見る機会がほとんど無かった頃でしたので、ステージを見たらもう、失禁どころではない、もう人生が変わるくらいの衝撃を受けました。

マーシャル・アンプ名物の3段積みの壁を初めて見ました。
ド迫力でした。(結構ハッタリで、全部使ってないというのは後に知りました)

その巨大アンプの壁の前に立ち、大音量でギターを弾くリッチーは神のようでした。
こんなに大きな音を聞いたのは初めてで、帰りの電車で友達と話しても聞こえにくくて、大声になっていました。


この話は、終わりそうも無いので、この辺にしておきますが、その後、大阪吹田市にある、STUDIO YOUという貸しスタジオが私たちのたまり場で、練習場所でしたが、そこは当時考えられないくらいの良い機材を惜しげもなく置いてあって、マーシャルアンプがいつも標準装備でした。

私は、ドラマーでしたが、いつもギターアンプのスピーカーに耳をつけ、ボリュームもすべてのノブをフルアップで(これ、基本です)大音量でギターを聴いたりしました。

あまりにもうるさいので、耳が壊れそうになるし、当時は難聴になり、困っていました。
難聴が誇りでもあった当時の狂った私でした。

その後たくさんのギタリストがいろんなアンプを使ってる姿を見て、マーシャル信仰は今ではありませんが、それでも、やっぱり、LIVEを見に行くときに、ステージ脇に積んであるアンプは、マーシャルが一番似合うと思います。

満員の観客の前で大音量でギターを弾くかっこよさは私の中では最高のパフォーマンスです。
なんとカッコいいんだろう

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そんなカッコいいギタリストとヴォーカルの後ろでドラムを叩くのは何にも変えがたい至福の時なんです。
ああ、おっさんバンドやりたいなあ。

ちなみに、今では小さいマーシャルアンプもあるし、何しろ、ギブソンも、フェンダーギターも、マーシャルも、マーチンですら安価になりました。

今の子供は最初から、弾けなくても、フェンダーギターにマーシャルアンプで始めるんでしょうか?
何か、ありがたみ無いですね。


では懐かしいところで、Deep Purple の Burnです。
大音量のギターに負けないベースとドラム(難しくてうまく叩けなかったですね)
ベーシスト、グレン・ヒューズの超高音コーラスもすごいし、若いデビット・カヴァーデルもいい感じ。

リッチー・ブラックモアがマーシャルアンプで最初からハウリング起こすほど(もちろん、わざと)の大音量です。