オリンピックでついに、女子フィギュアスケートが始まりました。
フィリピン在住の方は、NHKワールドでどこまで放送しているのでしょうか。
日本では、もう数年前から、この時が来るのを指折り数えて待ちに待った頂上決戦です。

思い起こせば4年前、浅田真央は、ほんの数日生まれるのが遅くて、年齢制限に引っかかり、実力では、すでに誰もが認める超一流のメダル候補でありながら涙を呑みトリノ五輪出場をあきらめました。

あれから、4年経ち、大人っぽく、綺麗になった真央には世界でただひとり、フリーの演技中にトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2回入れるという前人未到の偉業をすでに達成して、ステップや、表現力など群を抜いての金メダル候補になるはずでした。

まるで映画のような彼女のストーリーは、真央に試練を与えます。
五輪前のグランプリファイナルでは、ファイナルにも進めないという、信じられない不調でした。
回転不足や、ジャンプに失敗する彼女の姿は観客にショックを与えていたと思います。

イチローが打てないようなものです。
真央は、五輪出場すら決定できないまま直前の全日本大会に挑むことになりました。

ところが、やはり、並みの精神力ではありません。
圧倒的な実力を見せ付け、堂々の優勝を飾り、文句なしで五輪代表に選ばれました。

その真央に立ちはだかったのが、これまた映画でも書けない様なライバルが出現するんですね。
ご存知、韓国では物凄い人気の、国民の妹 と呼ばれる キム・ヨナです。
生まれた年も、月も同じ、姉一人と言う家族構成まで同じです。
キム・ヨナは真央のことを「もう一人の私」と呼んでいるとか・・

以前は真央が少し上だと言う評価でしたが、最近ではキム・ヨナのミス無しの完璧なすべりとその表情に評価が上がり、真央が追いつかないほどの高得点を叩き出してきます。

今回の五輪、ショートプログラムでも、真央が完璧な演技をした直後の演技と言うやりにくいとも言われた位置で舞台に立ち、見事、1位に立ちました。

007の選曲のセンスのよさが印象的で、途中何ともいえない指を鳴らすポーズや最後の拳銃を撃つラストまで見事な構成だと思いました。

フリーでの真央の大逆転や安藤美姫にも期待しますが、キム・ヨナがミスをしなければ優勝は固いかもしれません。

もし、優勝できなくても浅田真央は後世に語り継がれるほどの、見事な可憐なスケート選手であることは疑う余地もありません。

ショートでも何度も目頭が熱くなる感動がありました。
直前に母を亡くし、神様のいたずらで悲劇のヒロインになった地元カナダのロシェットはその姿を見るだけで涙があふれます。
メダルをあげたい気持ちになります。

他の競技も、素晴らしく五輪がどんどん好きになります。
カーリングも面白かったし、(残念でしたが)ジャンプもスピード・スケートも熱かったです。

命をかけて本気で勝負するその姿の美しさに感動させられっぱなしです。
明後日、ついに結果が出ます。
どちらが勝っても語り継がれる対決になりそうです。

たかがスポーツでもここまでくれば、誰もそんなことは言わないでしょう。
2人には競技後はゆっくりと休んで欲しいと思います。
ミーハーでも何でもいい、この瞬間を瞬きせずに心の中に焼き付けたいと思います。

ひとつだけ、苦言を呈したいです。
と、いうのは、技の難易度は大きな要素ですが、誰も3アクセルを飛べない中、成功した真央より、表現力のキムに軍配が上がりました。

男子フィギュアでも、4回転ジャンプができる選手が優勝できないで、無理せず、難易度が少し低いジャンプを跳んだ選手が勝ってます。
転倒した選手の中にはそのジャンプなら綺麗に飛べた選手もいるはずです。

前人未到の言葉の意味を理解して、本番で華麗なステップに加え、世界初の3アクセル2回入れた構成で勝負する真央が、それを跳べないキム・ヨナに近い高得点にならないとおかしいです。

とにかく作り話ではない、このライバル同士の決戦が見逃せません
安藤美姫や、その他の選手、特にグルジアの、エレーナ・ゲデバシビリにも頑張って欲しいと思います。