いろんな品物や食材や、たいていのものは、ランク分けすることが出来ると思います。
大衆・中級・高級・超高級みたいな感じで。
ラーメン屋になって、よかったと思うことのひとつに、人間の格差や飲食店の星の数や、そういうランク付けされているものに惑わされなくなったということを感じます。
カウンター席しかないラーメン屋で長く仕事をしましたが、そこには、他の業界ではなかなか見られない光景がありました。
小さい店ですので、お客さんを特別扱いすることも出来ないし、だいたいお客さんがどんな人なのか、ぱっと見ただけでは、わからないです。
仮にお金持ちだ、とか貧乏人だとか思っても、区別しようがありませんから、従業員に対しては誰にでも同じように接するのを基本だと指示していました。
東京にいると、テレビで見た芸能人やスポーツ選手など有名人も、たまに見かけます。
私は、恥ずかしいのもあるし、騒ぐと申し訳ないと思い、サインをねだったり写真撮ったりしないで、他のお客さんと同じように対応することが多かったですね。
ラーメンは大衆的な食べ物ですが、日本中でブームにもなり、私が作る1杯600円のラーメンを食べに来るのは貧乏人や学生だけではなかったのです。
10人座れば満席の狭いカウンターに、工事現場の仕事中の泥が着いたおっちゃんもいれば、綺麗な女子大生やOLもいて、TVに出ている有名人がいて、埼玉県から2時間かけてフェラーリに乗って食べに来る大金持ちもいました。
要するに、全ての層の方が来るんです。ラーメン屋は。
すし屋も、焼肉屋も、飲み屋も、多くの飲食店には、大衆店と高級店があって、貧乏で汚れた服を着た人と、お金持ちや芸能人が同じカウンターで食事する風景はあまり見かけないと思います。
そんなラーメン屋ですから、いろんな方と知り合いになれます。
常連さんになってきて、挨拶を交わすようになり、その後やっと、相手の職業などを知ることになります。
相手は私がラーメン屋だとわかっていますから、不公平な感じもしますが、それは仕方が無いです。
悲しいのは、私には、お客さんのことがわからないので、たいていの常連さんの名前も家も何もわかりません。
毎週、必ず1,2回は来てくれた常連さんが突然来なくなったことがありました。
いつも一人で来て、おいしそうに食べてくれる方で、会話は、「いつものちょうだい」それだけでした。
1回だけ奥さんと子供を連れて来てくれました。
奥さんに「おいしいだろ?」と言いながら食べてくれたのを覚えています。
来なくなったのは私のラーメンを飽きてしまったのかな?
こういうことは、良くあることですが、友達を失ったようなさびしい気持ちになりました。
その後、しばらくして、その奥さんと道で会いました。
「実は主人は先月亡くなりました。 亡くなる前も、あなたのラーメンがもう一度食べたいと言っていました。」 と言われて大きなショックを受けましたが、うれしくて涙したこともあります。
そのことがあってから、1杯のラーメンに真剣に取り組むようになったような気がします。
「このラーメンを食べてくれるのは今日が最後かもしれない」と思い、一期一会の精神で作ろうと思いはじめました。
おいしそうに食べてくれる常連さんにはうれしくて、ついつい内緒でおまけしたりしてしまう事もありました。
逆に、「この方は偉いセンセイだからおいしく作ってね」とか、「おいしかったら宣伝してあげるから、がんばって」とか余計なことを言われると、私のわがままな性格が顔を出して嫌な気分になったりしていました。
今度はお客さんの顔が見えない通販や、業務用卸なので、そういうドラマは少ないかもしれません。
人間性など関係なく、味の勝負ですね。
最近はデフレなので、価格競争もあるかと思います。
それについては、良い仕入先があるので安心しています。
また、物の値段については別の機会に書きたいと思いますが、持論を少し書かせていただきます。
肉の値段は、おかしいです。
テレビなどの情報で狂わされているかもしれませんが、たとえば、100g 2000円の肉と、100g
1万円の肉の違いなんてまず、わからないです。
よくテレビでやっていましたが、調理すると、余計にわかりません。
地鶏とブロイラーならブロイラーがやわらかくてジューシーと言う人が多いでしょう。
値段をつけるのは、店の自由ですから、1枚1万円のステーキは、仕入れ値が1000円かもしれないし、1枚5000円のステーキの仕入れ値は2000円かもしれません。
だから、10万円のステーキと言われても、1万円のステーキよりもおいしい保証はどこにもありません。
豚肉も牛肉や鶏肉のように、最近はブランド物が出来てきました。
スペインのイベリコ豚や鹿児島の黒豚、その他いろいろとあります。
これらはおいしいけど、とても高いです。
私は使いません。
私が使うのは、国内産です。大阪の近くです。
スペインから冷凍で空輸されるよりも、はるかに新鮮で、冷凍しない、冷蔵状態で仕入れします。
冷凍マグロより、生マグロを好む人のほうが多いと思います。
私は生にこだわってどんな高級豚にも負けないような製品を目指したいです。
課題は、ラーメン屋時代に作っていたチャーシューよりもおいしくすることです。
専門店だから出来ると思います。
愛情込めてしっかり作りたいと思います。
私の目指すのは終点の無い長い長い道のりです。
ドゥービーブラザーズの名曲「ロング・トレイン・ランニング」
あのギターサウンドが大好きなんです。
大衆・中級・高級・超高級みたいな感じで。
ラーメン屋になって、よかったと思うことのひとつに、人間の格差や飲食店の星の数や、そういうランク付けされているものに惑わされなくなったということを感じます。
カウンター席しかないラーメン屋で長く仕事をしましたが、そこには、他の業界ではなかなか見られない光景がありました。
小さい店ですので、お客さんを特別扱いすることも出来ないし、だいたいお客さんがどんな人なのか、ぱっと見ただけでは、わからないです。
仮にお金持ちだ、とか貧乏人だとか思っても、区別しようがありませんから、従業員に対しては誰にでも同じように接するのを基本だと指示していました。
東京にいると、テレビで見た芸能人やスポーツ選手など有名人も、たまに見かけます。
私は、恥ずかしいのもあるし、騒ぐと申し訳ないと思い、サインをねだったり写真撮ったりしないで、他のお客さんと同じように対応することが多かったですね。
ラーメンは大衆的な食べ物ですが、日本中でブームにもなり、私が作る1杯600円のラーメンを食べに来るのは貧乏人や学生だけではなかったのです。
10人座れば満席の狭いカウンターに、工事現場の仕事中の泥が着いたおっちゃんもいれば、綺麗な女子大生やOLもいて、TVに出ている有名人がいて、埼玉県から2時間かけてフェラーリに乗って食べに来る大金持ちもいました。
要するに、全ての層の方が来るんです。ラーメン屋は。
すし屋も、焼肉屋も、飲み屋も、多くの飲食店には、大衆店と高級店があって、貧乏で汚れた服を着た人と、お金持ちや芸能人が同じカウンターで食事する風景はあまり見かけないと思います。
そんなラーメン屋ですから、いろんな方と知り合いになれます。
常連さんになってきて、挨拶を交わすようになり、その後やっと、相手の職業などを知ることになります。
相手は私がラーメン屋だとわかっていますから、不公平な感じもしますが、それは仕方が無いです。
悲しいのは、私には、お客さんのことがわからないので、たいていの常連さんの名前も家も何もわかりません。
毎週、必ず1,2回は来てくれた常連さんが突然来なくなったことがありました。
いつも一人で来て、おいしそうに食べてくれる方で、会話は、「いつものちょうだい」それだけでした。
1回だけ奥さんと子供を連れて来てくれました。
奥さんに「おいしいだろ?」と言いながら食べてくれたのを覚えています。
来なくなったのは私のラーメンを飽きてしまったのかな?
こういうことは、良くあることですが、友達を失ったようなさびしい気持ちになりました。
その後、しばらくして、その奥さんと道で会いました。
「実は主人は先月亡くなりました。 亡くなる前も、あなたのラーメンがもう一度食べたいと言っていました。」 と言われて大きなショックを受けましたが、うれしくて涙したこともあります。
そのことがあってから、1杯のラーメンに真剣に取り組むようになったような気がします。
「このラーメンを食べてくれるのは今日が最後かもしれない」と思い、一期一会の精神で作ろうと思いはじめました。
おいしそうに食べてくれる常連さんにはうれしくて、ついつい内緒でおまけしたりしてしまう事もありました。
逆に、「この方は偉いセンセイだからおいしく作ってね」とか、「おいしかったら宣伝してあげるから、がんばって」とか余計なことを言われると、私のわがままな性格が顔を出して嫌な気分になったりしていました。
今度はお客さんの顔が見えない通販や、業務用卸なので、そういうドラマは少ないかもしれません。
人間性など関係なく、味の勝負ですね。
最近はデフレなので、価格競争もあるかと思います。
それについては、良い仕入先があるので安心しています。
また、物の値段については別の機会に書きたいと思いますが、持論を少し書かせていただきます。
肉の値段は、おかしいです。
テレビなどの情報で狂わされているかもしれませんが、たとえば、100g 2000円の肉と、100g
1万円の肉の違いなんてまず、わからないです。
よくテレビでやっていましたが、調理すると、余計にわかりません。
地鶏とブロイラーならブロイラーがやわらかくてジューシーと言う人が多いでしょう。
値段をつけるのは、店の自由ですから、1枚1万円のステーキは、仕入れ値が1000円かもしれないし、1枚5000円のステーキの仕入れ値は2000円かもしれません。
だから、10万円のステーキと言われても、1万円のステーキよりもおいしい保証はどこにもありません。
豚肉も牛肉や鶏肉のように、最近はブランド物が出来てきました。
スペインのイベリコ豚や鹿児島の黒豚、その他いろいろとあります。
これらはおいしいけど、とても高いです。
私は使いません。
私が使うのは、国内産です。大阪の近くです。
スペインから冷凍で空輸されるよりも、はるかに新鮮で、冷凍しない、冷蔵状態で仕入れします。
冷凍マグロより、生マグロを好む人のほうが多いと思います。
私は生にこだわってどんな高級豚にも負けないような製品を目指したいです。
課題は、ラーメン屋時代に作っていたチャーシューよりもおいしくすることです。
専門店だから出来ると思います。
愛情込めてしっかり作りたいと思います。
私の目指すのは終点の無い長い長い道のりです。
ドゥービーブラザーズの名曲「ロング・トレイン・ランニング」
あのギターサウンドが大好きなんです。