一般的に見て、日本は先進国で、フィリピンは途上国ですから、多くのフィリピン人にとって日本はあこがれの国だった筈です。
確かに街はきれいし、子供の物乞いもいない平和で美しい国に見えます。
私はフィリピンから日本に戻ると、いつも寂しく感じます。
子供の少ない風景や、逆に老人が多すぎる問題、そして気になるのが安売りです。
有名な大企業も、今や小売店は異常に安いです。
いつも思いますが、何のために優秀な人材を集めているのか、1円でも安くすると客が集まり、不況を乗り越えられると思ってるのか、聞いてみたいです。
私の住む大阪でも、半径5キロ以内にはたくさんのスーパーがあり、いろんなものは限界まで安売りされているように見えます。
何店かの売り文句には「他店より高い場合は、その値段に合わせます」と大きく書かれてたりします。
でも、どこも人出はそんなに多くありません。
安売り合戦をした結果、今までどおりにお客さんが来ても利益は激減です。
よそを出し抜いたつもりが、競争になり、結局、全部の店が安売りをしてるので倒産店が増えてきています。
こんな結果は、誰でもわかりそうなものなのに、なぜ、そこに行ってしまうのか考えています。
日本の将来の暗さに恐怖を覚えます。
利益の出ない商売を皆が続けるとどうなるのでしょうか?
給料も上がらないし、ますますリストラが進み、少人数で薄利多売という無理な経営は破綻に向かっていく。
自由な競争という資本主義の末路なのでしょうか?
人口が減っていけば、資本主義は破綻するのはわかります。
それを解決するのは難しいでしょうが、外国人を受け入れて過疎の町を救うとか、無料で古くて空いてる賃貸住宅に入居させてやるとか、何かの手を打たないと、寂れていく地方都市はどんどん増えるばかりです。
「他店よりも安くして、他店の客を奪い、他店が倒産したら、普通の値に戻し、1人勝ちする」
体力のある会社が考えがちですが、そんなこと無理なんです。
今日は久々にスーパーに行き、うなぎの蒲焼を買いました。大きな、かば焼きが2匹入りで580円です。
うな丼も家で作ると、1人前100円ちょっとで作れます。
和牛の霜降り肉も夕方には半額になるので買いました。
ステーキが1枚300円ほどです。
1500円の高給和牛すき焼き肉はたっぷり3人分です。
ファミレスで食べる肉よりも遥かに上質な肉です。
さらに、1つ、500円のあわびを買って、半額で300円になった輸入松茸を買えば、信じられないぜいたくな、メニューです。
これから2日間は、うな丼と、霜降りステーキ、あわびもステーキ、松茸ご飯に、すき焼きには霜降り牛肉と松茸入りで、と、こんなメニューになります。
また、太りそうです。
原価は、私たち3人分で、平均1000円で足りるでしょう。
のり弁3個より、安いんです。
外に出かけて、ファミレスに行きたいなんて全く思いません。
外食は、うまいラーメン、すし、カレー、夜なら焼肉か、餃子の王将
これで十分です。
ファミレスの凋落がわかります。
姪っ子たちですら、行きたい店にファミレスがありませんから。
いくら安くても、ご馳走ばかりでは、ありがたみが無くなります。
フィリピンから戻ったばかりで和食に飢えているだけです。
スグに、普通のメニューに戻ります。
たとえば、さんま焼いて、豚しょうが焼きに、みそ汁、または、ハンバーグに、出し巻き玉子に豚汁とか、
こんな感じのメニューなんて3人で500円です。
不況だから、助かるかと、思うこともありますが、この代償が必ずやって来ると思うと、喜ぶ気にはなりません。
認知症が出てきた母は、糖尿などありますが、小食なので何を食べても大丈夫です。
だからいい物を食べさせてあげようと思ってはいます。
私が子供の頃に「食べさせてくれ~」と夢に見たメニューは夢ではなくなってきました。
これを、いい国になったと喜ぶのか、私のように、何かおかしいな?? と思いながら食べるのか?
でも、目の前に料理が並ぶと、とりあえず、ごちゃごちゃ考えないで、美味しくいただく私ですけど・・・