ミュージシャンの川村カオリさんが亡くなりました。

正直言って前からのファンではなかったのですが、彼女のブログをある日見つけて、ここ1年くらいですが応援していました。

http://ameblo.jp/kawamurakaori/

ガンと戦っているから応援せずにいられなかったんです。
直面した現実から逃げずに受け入れる潔さみたいな男らしさみたいなものを感じました。
彼女の歌を知らないで応援するのも何か変な気持ちになるのでデビュー間もない頃の動画を見ました。

下手だな・・少し残念な気持ちになりました。
でも、こんなに応援する人がいるのだから、何か持ってるだろうと思い、最近の映像を探しました。
「ZOO} が出ました。

これって、「愛を下さい」 って曲かな? これなら知ってる。
と思い、聴いてみました。

驚きです。 闘病後(闘病中)のステージで15年ぶりに歌うその姿は明らかに実力派ミュージシャンの歌声でした。
嬉しくなりました。

彼女の事を少し調べてきました。

ロシア人の母と日本人の父との間にモスクワで生まれ、11歳で千葉の中学校に入って、いじめも経験し、その後17歳で歌手デビューしたそうです。

乳がん発覚し、抗がん剤治療を受け、芸能界に復帰して、乳がんの早期発見のため、ピンクリボン運動などに参加して、同じ病気で苦しく女性を減らそうと活動してきました。
可愛い女の子に恵まれますが、離婚してシングルマザーとなります。

テレビでもその闘病記や克服しての復帰などで話題になりました。
昨年10月にガン再発をブログで発表。
その後も前向きな記事で精一杯生きていることを報告してきましたが、ついに力尽きました。

彼女には女性ファンが多かったです。
パリコレモデルを努めたほどのカッコよさは女性の憧れでもあったのでしょう。

5月5日の最期のライブでは、その3日目になくなった事務所の先輩、忌野清志郎を偲んで歌ったそうです。
テレビなどで見る、彼女を大好きな娘がまだ小さいので不憫に思います。

偶然にもNHKで、「がん患者の再就職の難しさの現実」 と言うテーマの番組を見ました。
何年間もかけ、必死で治療に耐えて、社会復帰した人が、再就職するときに、ガンの闘病期間があったことを面接官に告げると、それまでの彼女のキャリアに対する評価が一変し、就職を断られます。

私はそれを見て2つの複雑な思いになりました。

1つは、会社側、雇用側への不満です。
社会貢献など実は無関係でいたい、困っている人に差し伸べる優しさを持ち合わせない小さな会社の小さな人間の姿です。
実力を評価したのなら採用すれば良いのに、病気があったという理由で断っていいのでしょうか?
企業は金儲けですから、人を選ぶのも自由ですが、そういう困難を乗り越えてきた人がいかに真面目に人生に取り組むか見せて欲しいとは思わないのでしょうか?
会社にプラスをもたらす人材かもしれないという発想が無いことに実に不満です。

もう1つは、自分勝手な意見なのでお叱りを受けそうですが、涙を流し、「世間は冷たい」と訴えるそのガンを克服した女性に言いたいです。

病気していた期間があると言う理由で採用されないのなら、言わなきゃ良いじゃないかと思ってしまいます。
正直なのは結構ですが、お涙ちょうだい、みたいに詳しく話す必要があるのでしょうか?
保険の契約するわけでは有りません。
世間の厳しさを知ったなら、堂々と健常者として面接に挑んで、履歴書の長年の空白期間などテキトーに埋めてしまえば良いです。

後で、実は病気だったとばれたとして、会社にいったいどんな損害がありますか?
会社に聞かれれば、どんなプライベートなことも答えないといけないのでしょうか?
勘違いしている人が多いと思いますが、うそはダメですが、内緒はダメではありません。

有能な人が入社後、実は〇年前にガンだったんだと言って、それを理由にクビにした会社は裁判で訴えられると負けると思います。

堂々と生きたいのは理解しますが、人が敬遠することも全てさらけ出して私を雇ってくださいと言われても引いてしまう人も大勢います。

川村さんが、歌は人を救える力をもっていると信じて、全てを話して残り少ないかもしれない人生を燃焼するのと、再就職を探す話はちょっと違いますが、私なりに感じることがあったので記事にしました。

では、かつて、ビートルズの Let it be に勇気をもらったと言う川村さんを偲んで 
「ZOO」を聴いてみましょう。