たまに耳にする会話で「今年、何回泣いた?」 とか、 「最近泣いてないなあ」 なんて聞くことがあると、私は、うっ! ヤバイ とその話題から逃げたくなります。

いつのまにか、この中年は、簡単に泣いてしまうようになりました。
自分でも恥ずかしいです。

ガキの頃は、泣かないのが私のポリシーでした。
いくら痛くても、悲しくても、男は泣かないんだと誓っていました。

記憶の中で、子供のときに泣いたのは、小1で5回未満、小2では、1回か2回、小3以降はありません。
ケンカでも絶対に泣きませんでした。

その後、時が経ち、大泣きしたのは、私が30歳の頃、自分の会社が倒産しかけた時に、ヤクザの親分に助けられて、その後、その親分に借りた運転資金を返せずに困っていた私を見かねた実の兄貴が、自ら借金して私を助けてくれた時です。

今思うとバカみたいな話ですが、相手がヤクザの親分だから、迷惑を掛けて、あやまりに行く時は、小指をつめて持って行くようにと、そこの若い衆にも念を押されていました。

最初はわけもわからないで、助けてくれたのは建設会社かなんかの社長だと聞いていたのに気が付けばそんな修羅場になっていたんです。
後悔しても、時すでに遅し、親に話せば悲しむだけだし、ただ、もう家族に会えないかもしれないと思い、
山○組の系列のある組事務所に行く直前に、「皆元気でな」と、伝言したのを聞いた兄貴が助けてくれたんです。

今日で人生が終わるかもしれないと思いながら車を運転中に、携帯が鳴ったのを今でも覚えています。
「帰って来い。俺が何とかするから」
とやさしく兄が言う言葉は、私の人生の中で何年経っても色あせることの無い、決して忘れられない感動の場面でした。

なぜか、それ以降、涙もろくなりました。
そのときに泣きすぎたからでしょうか?
涙腺がゆるゆるです。

映画でも、ドラマでも感動のシーンで泣くのは普通です。
私もそれはそうです。
あまり芝居がくさいと泣けなくてストレスになることもあります。

恥ずかしいのは、ニュースなどのドキュメントや、ちょっとした感動とかでも泣いてしまいます。
自分でも驚いたのが、母と一緒に見ているNHKのど自慢で、合格したのがうれしくて号泣している女の子を見て、もらい泣きしてしまい涙が止まらなくて、母に見られて恥ずかしかったです。

妻は泣き虫の私をかっこうの遊び相手にして喜びます。
泣いてる私を見つけて、ニヤニヤしながらティッシュを持って近づいてきます。

1月にフィリピンから日本に戻る時も、妻の母と涙の抱擁です。
おおげさです。
なぜか、妻の母とお別れのときは涙があふれてしまいます。
義母も泣きます。

私と義母はものすごく仲が良くて、抱き合って泣くことも何度もありました。
いつからでしょうか? 不思議な感覚です。

きっと、母に大腸の悪性ポリープが見つかって、手術すると聞いてからですね。
その頃、フィリピンにいた私は、ただ母の無事を願い、何もできない自分に悔しくて涙していたからです。

日本に戻ってからは、水戸黄門でも泣きそうになり、残虐なニュースでも、我慢できませんから大変です。
5歳の姪っ子にばれると、また泣き虫と言ってからかわれます。
涙の安売りしないように男らしく行かなくては、と思います

昔は涙無しで聞いたんですが、久しぶりに聞くと涙が出てしまいました。
いくつか、そんな曲があります。そういう中の1曲です